ピュアバッテリーEVタグボート開発プロジェクトの開始
2023年、東京汽船株式会社とMarindows株式会社は、日本初のピュアバッテリーEVハーバータグボートの開発プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、横浜港と川崎港で運航される予定で、港湾からの温室効果ガス排出をゼロにすることを目指しています。これは、カーボンニュートラルポート政策に基づく重要な取り組みです。
東京汽船は、2023年1月に2,486kWhの大容量蓄電池を搭載したハイブリッド電気推進タグボート『大河』を就航させており、この運航経験をもとに今回のプロジェクトに取り組んでいます。新たに開発されるピュアバッテリーEVタグボートでは、6.66MWhの大型蓄電池とMW級の急速充電器を活用し、完全なゼロエミッションを実現する予定です。
プロジェクトの内容
本プロジェクトは、以下のような特徴を持つタグボートの開発を目指しています。
- - 船種: ハーバータグボート(港湾曳船)
- - 運航動力源: 内蔵されたリチウムイオン蓄電池のみでの運航
- - 速度: 最大速力14.0ノット(時速約26km/h)
- - 曳航力: 最大53トンの曳航力を持つ
- - 推進出力: 2 x 1,500kWの合計3,000kWの推進出力
このタグボートは、2030年に横浜港および川崎港での商業運航を開始する予定です。運航の中心となるのは、6,660kWhという大容量の蓄電池と、陸上に設置される2 x 2,000kWhの蓄電池です。また、急速充電器は2 x 1,000kW仕様で、船舶と陸上間のスムーズな電力供給を実現します。
今後の計画
プロジェクトは今後、以下のスケジュールで進行します。
- - 2025年: 詳細な実現可能性検討(FS)およびコンセプト設計を実施し、最終的な建造決定を行います。
- - 2026年: 基本設計を策定し、船と主要機器/システムの設計を確定させます。
- - 2027年: 詳細設計を進め、船と主要機器/システム、ならびに急速充電器の設計を詳細化します。
- - 2028年: 実際の建造開始と急速充電桟橋の工事着工。
- - 2030年: 横浜港および川崎港において商業運転を開始します。
お問い合わせ
本プロジェクトに関するお問い合わせは以下の通りです。
このプロジェクトは、持続可能な未来に向けた大きな一歩であり、同時に日本の物流業界における新たな可能性を示しています。温室効果ガスの排出を減らすことは、私たちの未来を守るための重要な使命です。新しい技術の導入によって、よりクリーンでエコフレンドリーな港湾運営が実現されることに期待が寄せられています。