湯川秀樹博士の研究日記が初公開!
2023年7月6日、大阪大学総合学術博物館と京都大学基礎物理学研究所が共同で、湯川秀樹博士が1938年に記した自筆の研究日記「湯川研究室理論コロキウム記録」の公開を開始しました。この日記は、湯川博士が大阪帝国大学助教授として過ごしていた時のものであり、科学の歴史を垣間見る貴重な資料です。
湯川博士の業績と研究の舞台
湯川博士は、1933年に大阪帝国大学理学部に講師として登壇し、翌年には専任講師に就任。その後、1936年から1939年まで助教授として在籍し、この期間に中間子論を発展させました。特に1934年11月には中間子論に関する初の論文を発表し、数年後の1949年には日本初のノーベル賞を受賞することが決定したことで、彼の研究は広く知られることとなります。
今回公開される日記は、1938年4月21日から12月23日までの31回分の研究室活動が記録されています。表紙には、湯川博士自身の手書きで「理論物理学 研究室記録(京大)、理論コロキウム 記録(阪大) 1938-1939 Ⅰ」と書かれており、彼の研究姿勢を感じることができます。
科学への期待と取り組み
今回の公開は、日本の科学者たちがどのように議論し、研究を進めていたのかを知る貴重な機会です。湯川博士の研究室では、同僚たちと共に頻繁にセミナーや勉強会を行い、その中で最先端の物理を理解しようと努めていました。この「理論コロキウム」と呼ばれるセミナーには、研究室のメンバーだけでなく、外部の方々も参加しており、まさに知識の交流が行われていたのです。
サイトでは、湯川博士の研究記録だけでなく、今後は論文原稿や講演原稿、計算ノートなど他の研究資料も順次公開予定となっています。これにより、物理学の研究に携わる人々や研究を志す若者たちにも、湯川博士の足跡に触れることができ、彼のような研究者を目指す意欲をもたらすことが期待されています。
アクセス方法
この重要な資料は、以下のウェブサイトでご覧いただけます:
多くの方々が湯川博士の研究の足跡を辿り、科学の世界に興味を持つきっかけとなることを願ってやみません。