地方企業の新たな挑戦
地方の中堅企業である株式会社サンポールは、昨今の人材不足に直面し、採用改革に舵を切りました。経済産業省の調査によると、今後5年間で最も不足が見込まれる分野に機械工学が挙げられており、その不足率は驚異的な12.4%に達すると予想されています。特にモノづくり系エンジニアの需要は高まる一方で、地方企業が優秀な人材を確保するためには新たな戦略が必要とされています。
株式会社サンポールの背景
広島市に本社を置くサンポールは、社会インフラ製品の開発・製造を手掛けています。主な製品は、旗ポールや車止め、電動チェーンゲートなど、日常的にはあまり目にすることがないため、学生にとっては「なじみがなく、イメージしづらい」と感じられていました。社内の技術開発部には13名のエンジニアが在籍していますが、技術職の人材不足は深刻な課題として残っていました。
採用動画の制作と効果
そこで、サンポールは新たな採用活動の一環として、採用動画を制作・公開しました。この動画は、実際に働く社員の顔や働く環境を映し出し、社内の雰囲気やチームワークの良さなどを直感的に伝えるための手段です。特に「和気あいあいとした雰囲気」「成長を支える社風」といった求職者にとって魅力的なポイントが前面に押し出されています。
従来のリアルな接点だけでは伝えきれなかった“見えにくい魅力”を可視化することで、より多くの候補者にアプローチしようという試みです。これにより、候補者たちが業界について抱くイメージを変え、採用意欲を高める狙いも含まれています。
2024年度の採用実績
2024年度の採用活動では、147名がエントリーし、その中から7名に内定を出しました。最終的に4名が内定を承諾する結果となり、地方中堅企業としてはまずまずの成果といえるでしょう。しかし、専門性の高い職種では、依然として採用の難易度は高く、特に技術開発部や品質保証部における人材確保は依然課題として残っています。
それでも、社内からは「働きやすい」「人間関係が良好」といったポジティブなフィードバックが多く寄せられており、職場の満足度は高い状況にあります。今後、社外への魅力発信はより一層重要となるでしょう。
今後の採用戦略
サンポールは「小さなマーケットでNo.1を目指す」という理念に基づき、独自の採用戦略を展開しています。採用動画の制作を皮切りに、自社の価値をより深く広く伝えるための施策を強化する必要があります。
SNSやWebコンテンツの充実、大学との連携強化といったデジタル発信の重要性が増している中、地方企業としての認知度を上げることが求められています。さらに、インターンシップや職場体験の拡充といった新しい接点を創造し、学生との関係を強化することも、次のステップとなるでしょう。
会社概要
株式会社サンポールは、旗ポールや車止め、電動チェーンゲートなどの社会インフラ製品の製造販売を手掛けています。地域に根ざし、持続可能な事業運営を目指す企業として、今後も技術革新と人材確保の両面で努力を続けることでしょう。
会社名:株式会社サンポール
所在地:〒730-8667 広島市中区南吉島2丁目4-5
代表者:山根 令
設立:1970年9月24日
連絡先:森原 龍也
TEL:082-244-4689
メール:
[email protected]
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