メタンハイドレート論文受賞
2025-03-06 14:20:19

メタンハイドレート産出試験論文が高被引用論文賞に輝く

メタンハイドレート産出試験が光を浴びる



近年、エネルギー資源として注目されるメタンハイドレート。その産出試験に関する研究が、国際的な評価を受けました。具体的には、JOGMEC(日本石油・天然ガス・金属鉱物資源機構)主導のもと、MH21-S研究開発コンソーシアムが行ったメタンハイドレートに関する論文が、米国化学会から高被引用論文賞を受賞しました。この業績は、国内外の研究者との共同研究の成果として評価されています。

■ 研究コンソーシアムと受賞の背景

この研究は、JOGMEC、本部が東京都港区に所在する機構と、国立研究開発法人産業技術総合研究所、さらに日本メタンハイドレート調査株式会社が連携し、展開したものです。研究の中心となったのは、JOGMECエネルギー事業本部の副本部長、山本晃司です。山本氏はこの研究の第一著者であり、責任著者として多くのデータを集め、分析を行いました。

受賞した論文は2022年に発表され、雑誌「Energy and Fuels」に掲載されました。その内容は、各国におけるメタンハイドレート層からのガス産出試験に関するもので、実施されてきたさまざまな試験の条件、使用された技術、得られた結果と教訓を包括的にまとめています。

■ 高被引用論文としての意義

この論文が評価された理由は、メタンハイドレートの長期的な商業開発に向けて必要なデータ取得の重要性を訴えている点です。技術や試験条件が多様である中、長期にわたる産出試験が求められることを示し、今後のエネルギー政策にも影響を与えることが期待されています。

何よりも重要なのは、全体の3%の論文しか受賞しない「高被引用論文」としての認知です。この名誉は、研究の実用性と重要性を証明するものであり、山本氏と共同研究者たちの尽力が結実した結果となります。

■ 受賞論文の詳細

受賞した文献のタイトルは、「Review of Past Gas Production Attempts from Subsurface Gas Hydrate Deposits and Necessity of Long-Term Production Testing」で、エネルギー資源開発の未来に向けた貴重な知見を含んでいます。調査結果は、各国のメタンハイドレート関連の試験データをもとに、より効率的なガス産出を可能にするための道筋を示しています。

著者陣は、山本氏の他に、米国エネルギー省国立エネルギー技術研究所のRay Boswell氏、米国地質調査所のTimothy S. Collett氏、カナダのScott R. Dallimore氏、そして北京大学のHailong Lu氏が参加しています。

■ 未来への展望

このメタンハイドレート研究は、経済産業省資源エネルギー庁からの委託事業として実施されており、今後もアラスカ州での長期間にわたる試験情報が更新され続けます。MH21-Sの公式ホームページでは、最新の情報が提供されているため、興味のある方はぜひご覧ください。これからも地球環境やエネルギー問題に寄与する研究成果が期待されます。


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会社情報

会社名
JOGMEC
住所
東京都港区虎ノ門2-10-1虎ノ門ツインビルディング
電話番号
03-6758-8106

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