和歌山の湯治宿「しらさぎ」が自炊室をリニューアル
和歌山県西牟婁郡白浜町に位置する「湯治のできる宿 しらさぎ」が自炊室をリニューアルしました。リニューアルされた自炊室は、明るい雰囲気でリモートワークにも適した環境が整備されました。これは、湯治文化を未来へつなげる取り組みの一環です。
自炊湯治の現状と課題
椿温泉は長い歴史を持つ湯治場として知られており、かつては多くの宿で自炊が可能でした。しかし、現在は「しらさぎ」のみがその伝統を残しています。湯治客が減少するなか、「しらさぎ」の女将、熊野幸代氏は、椿温泉の湯治文化を維持するため、積極的なPR活動を行っています。
15年前から、若い世代に湯治の重要性を広めるために講演やテレビ出演を通じて発信し続けており、湯治を知らない若者たちにその魅力を伝えています。熊野女将は、この世代こそが湯治の効果を必要としていると感じているのです。
新たな湯治の概念
これまでの湯治は高齢者や病気を抱える方が中心でしたが、今後はストレスを抱える都市部の働き盛りの人々に向けた新しい湯治のスタイルを提案しています。温泉によって体だけでなく、心も健やかにすることを目指しています。
「しらさぎ」は、お客様が地域とつながるコミュニティスペースの提供も考えており、地域への愛情を育む環境づくりが重要だとしています。宿泊客と地域の人々が交流する場を作ることで、湯治宿は地域全体に貢献する役割を果たすことが期待されています。
湯治ツアーの充実
また、「しらさぎ」では湯治客と地域の農家や語り部との交流ができる様々な湯治ツアーも開催しています。これにより、湯治客は単に宿泊するだけでなく、地域を深く知る機会を持つことができます。この取り組みが双方にとっての新しい価値を生むと考えています。
ワーケーションの推進
自炊室のリニューアルにより、宿泊者が快適にリモートワークを行えるようにWi-Fi環境も整備されています。ビジネスパーソンが湯治に訪れることで、地域側にもたくさんの人脈が広がり、アイデアやスキルの交流を通じて地域力がアップすることを期待しています。
施設情報
今後も「しらさぎ」は、リモートワークができる環境を提供しながら、湯治文化の新たな形を模索し続けていきます。