フェニル酪酸グリセロールが希少疾病用医薬品に指定されました
フェニル酪酸グリセロールが希少疾病用医薬品に指定
株式会社オーファンパシフィックが、同社の開発したフェニル酪酸グリセロール(開発コード:HPN-100)が、尿素サイクル異常症(Urea Cycle Disorder、以下「UCD」)に対する治療薬として、2024年12月25日付で厚生労働省から希少疾病用医薬品に指定されることを発表しました。この新薬は、血中のアンモニア値を管理する点で重要な役割を果たします。これにより、UCD患者やその家族に新しい治療の選択肢が提供されることが期待されています。
オーファンパシフィックは、2008年にフェニル酪酸ナトリウム(販売名:ブフェニール®)がオーファンドラッグに指定されて以来、日本国内でブフェニール®の錠剤と顆粒剤を提供してきました。今回のフェニル酪酸グリセロールは、ブフェニール®と同じく体内でフェニル酪酸に変わるプロドラッグで、無味無臭の経口液剤として服用しやすく設計されています。
尿素サイクル異常症(UCD)とは
尿素サイクルは肝臓の主要な代謝経路で、人体内で生成される有毒なアンモニアを無毒の尿素に変える役割を担っています。この尿素サイクルにはいくつかの酵素が含まれており、先天的な異常を持つ患者は尿素サイクル異常症と呼ばれています。この疾患群は嘔吐、哺乳力低下、多呼吸、痙攣などの症状を引き起こし、場合によっては命に関わる重篤な状況になることがあります。UCDは8,000人から44,000人に1人の頻度で発症し、指定難病の一つに数えられています。
希少疾病用医薬品指定制度の概要
日本では、医薬品医療機器法に基づき、対象患者数が5万人未満の疾患に対する医療上の必要性が高いものとして、厚生労働大臣が指定した医薬品は希少疾病用医薬品として扱われます。この制度により、希少疾病の患者が治療を受けるための新薬が開発され、早期に供給されるよう努められています。
オーファンパシフィックの使命
オーファンパシフィックは、希少疾病に特化した治療薬の開発・製造販売を行う日本の製薬企業です。同社は「希少疾病を持つ患者さんとご家族に笑顔と幸せを届けます」というミッションを掲げ、希少疾病の治療薬開発に積極的に取り組んでいます。また、シミックホールディングスの100%子会社として、医薬品開発や製造の経験を生かし、さらなる治療選択肢を提供することを目指しています。
結論
フェニル酪酸グリセロールの希少疾病用医薬品指定は、尿素サイクル異常症に対する新しい治療法の可能性を開く重要なステップです。オーファンパシフィックは、今後も引き続き希少疾病の患者とその家族のために新薬の開発に尽力し、より多くの人々に医療アクセスを提供することを約束しています。
会社情報
- 会社名
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シミックホールディングス株式会社
- 住所
- 東京都港区芝浦1-1-1浜松町ビルディング
- 電話番号
-
03-6779-8000