サケの生命の旅を描いた本の魅力
東日本大震災からの復興
2011年の東日本大震災によって荒れ果てた岩手県の河川も、今年の秋には美しい姿を取り戻しました。震災からの復興の中で、再び訪れることができたサケたちの姿は、地域の象徴とも言えるでしょう。本書『ふるさとの川をめざす サケの旅』は、そんなサケの生態を長年にわたり観察してきた写真家の平井佑之介氏が手がけた珠玉の作品です。
サケの一生を想う
サケは秋になると、海からふるさとの川へと戻ってきます。4年前にこの川で生まれた彼らは、産卵のために命がけでその旅を続けます。産卵後、彼らの一生は終わりを迎えますが、それはまた新たな命を育むスタートでもあるのです。本書では、冬に卵から孵ったサケの稚魚が成長する過程や、旅立ちの様子を追っています。
水中での命のドラマ
この写真絵本は、まさに川の生態系を追いかけた記録です。作者は、サケがどのように生き抜き、繁殖を果たすのかを水中で捉えました。彼が撮影した生態写真は、サケたちの命のドラマそのものです。そこには、身近な魚にも感情や目的があることを教えてくれる要素が溢れています。
読者とともに学ぶQ&A
また、巻末には親子で楽しめるQ&Aが収録されています。ここでは、サケに関する様々な疑問に答える形で、彼らの体の特徴や生態についても詳しく解説されています。「サケのこと、もっと知りたい!」と感じる読者の興味に応える内容です。
著者について
平井佑之介氏は、1988年に東京で生まれました。大学で動物行動学を学んだ後、写真を通じて「今を生きる」生き物たちの姿を伝えたいという思いで、多様な生物を撮影しています。彼は、伴侶動物から野生生物まで、幅広く写真を手がけており、本書もその一環として位置づけられます。
商品情報
書名:命のつながり6「ふるさとの川をめざす サケの旅」
著者:平井佑之介
発行日:2024年9月17日
定価:2,200円
ページ数:48ページ
この本は、自然について学ぶための教材としても最適です。低学年の子供から大人まで楽しむことができる内容で、親子で一緒に読むことで、命の大切さや自然との共生について考えるきっかけとなるでしょう。
写真展のお知らせ
平井佑之介氏の写真展「いのちの旅―ふるさとの川をめざすサケ―」が2024年8月23日から9月12日まで富士フイルムフォトサロン 東京 スペース3で開催されます。この機会に、写真家の視点を通し、サケの旅を実際に目にすることもできるかもしれません。
詳細は公式サイトをチェックしてください。