競馬小説ファン必見!新刊『覚悟』の魅力
イギリスの作家ディック・フランシスが創り上げてきた競馬をテーマにしたサスペンス小説のシリーズが、息子のフェリックス・フランシスによって再始動します。このたび、5月8日に文春文庫から発売予定の新刊『覚悟』は、彼の父の遺志を受け継いだ素晴らしい作品です。
シッド・ハレーの復活
『覚悟』は、元騎手であり、名調査員のシッド・ハレーを主人公に据えた物語です。彼は、落馬事故で左手を失ったにもかかわらず、不屈の精神で競馬界の調査員として成功を収めてきました。スチュアート卿から依頼された不正レースの調査を固辞したものの、その翌朝に卿が変死したことから、ハレーは再び危険な世界に巻き込まれていきます。
新たな不正の影
シッド・ハレーは、スチュアート卿の死を通じて、影に潜む卑劣な敵に立ち向かうことになります。彼が抱える葛藤や道徳的な選択は、読者に対して強いメッセージを送ります。競馬という舞台で繰り広げられる緊迫のサスペンスは、興味を引きつけてやみません。
ディック・フランシスの偉業
ディック・フランシスは、女王陛下の馬に騎乗経験を持つ名騎手であり、44作品にわたる競馬シリーズで多くのファンの心を掴んできました。特に『興奮』『利腕』などは、サスペンスの傑作として評価されています。父の死後、フェリックスは共作を通じて彼の文学の芯を受け継ぎ、その後独立して新たな視点から物語を紡いでいます。
新・競馬シリーズ、さらなる展開
『覚悟』は、文春文庫の新たな競馬シリーズの第一弾です。このシリーズでは、従来のキャラクターに頼らず、多様な背景を持つ主人公が登場しますが、シッド・ハレーは競馬シリーズにおいて特別な位置を占めています。次回作『勝機(仮)』や若き危機管理コンサルタントが登場する『虎口(仮)』も控えており、今後の展開も目が離せません。
デザインへのこだわり
文春文庫の『覚悟』では、背表紙に「フランシス・グリーン」を採用し、過去のシリーズへのリスペクトを表現しています。この美しいデザインも、ファンにとっての大きな魅力の一つです。競馬シリーズファンの書棚に自然と溶け込むように配慮されています。
書誌情報
- - 書名: 覚悟
- - 著者: フェリックス・フランシス
- - 翻訳: 加賀山 卓朗
- - 装丁: 関口 聖司
- - 判型: 文庫判
- - 定価: 1,265円(税込)
- - ISBN: 978-4-16-792370-9
- - 書誌ページURL: 書誌ページはこちら
これを機に、ぜひ『覚悟』を手に取って、その魅力を味わってみてはいかがでしょうか。競馬とサスペンスの交錯した世界に引き込まれること間違いありません。