脱炭素社会の挑戦
2021-10-14 14:55:54
吉富町、SDGsに基づく脱炭素社会実現へ向けた取り組み
九州の小さな町が目指す脱炭素社会
福岡県吉富町。面積はわずか5.72平方キロメートルと九州一小さな町であるこの場所が、「脱炭素社会」を実現するために大きな一歩を踏み出しました。町長の花畑明氏は、2021年10月21日に株式会社シェアリングエネルギー、株式会社LOCAL2との間で官民連携による脱炭素に向けた包括連携協定を締結しました。この取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)を念頭に置いたもので、地域のエネルギーの自給自足を目指し、同町の「地域脱炭素プロジェクト」として具現化されています。
地域脱炭素プロジェクトの概要
吉富町では、地域脱炭素プロジェクトの実施により、公共施設や民間住宅に太陽光パネルを無償で設置する仕組みを採用しています。このプロジェクトは、株式会社シェアリングエネルギーからの最大36億円相当のESG(環境・社会・ガバナンス)投資を受ける計画です。具体的には、太陽光発電の導入によって、年間約47トンのCO2削減を実現するとされています。これは、東京ドーム3個分の森林に相当する効果であり、住民にとっても経済的価値をもたらすものです。
特に注目すべき点は、災害時においてもこの太陽光発電システムが防災用の電源として機能することです。停電などの緊急時に、町民の安心を支える重要な役割を果たします。吉富町では地域の特性を生かしながら、都市としての持続可能性を高めようとしています。
取り組みの背景と進展
この協定に至るまでの経緯は、2021年6月にさかのぼります。官民パートナーシッププラットフォーム「ONE FUKUOKA」を通じて、吉富町と2社の企業が率先して議論を重ね、9月には具体的なESG投資を基盤とした社会実装の事業計画がスタートしました。
これにより、地域脱炭素プロジェクトの第一弾が始動し、消防団の駐屯所や防災施設などの公共施設に太陽光パネルが設置されました。さらなる進展として、同年10月に調印式が行われ、次なる段階として町民の民間住宅にも太陽光パネルを無償で設置していくとしています。これは、町のエネルギー自給率を高め、持続可能な経済的価値を創出する重要なステップとなります。
太陽光パネルの社会的意義
吉富町の取り組みは太陽光パネルの廃棄問題にも配慮されており、製造元では循環利用が進められています。将来的には、再生可能エネルギーとしての地位を確立しつつ、地域環境への負担を最小限に抑える取り組みを続けていくことが求められています。吉富町のモデルケースは、全国的に見てもサステナブルな社会構築のための先導的な地位を確立することが期待されます。
町民の生活に根ざした未来の姿
また、町民にとっても太陽光発電は経済的な利点をもたらします。日中の電気代を安価で利用でき、11年後には売電益が町民に帰属する仕組みが組み込まれています。これにより、町民の生活向上と地域経済の活性化が図られるでしょう。
吉富町は、地域資源を最大限に活用し、今後の人々の生活においてもサスティナブルな道を示すための取り組みを続けていく意気込みを見せています。今後もこのプロジェクトが進行し、全国における他の地域への波及効果が期待される中、吉富町はその未来をしっかりと見据えています。
会社情報
- 会社名
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福岡県吉富町
- 住所
- 福岡県築上郡吉富町大字広津226番地1
- 電話番号
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0979-24-1122