企業が進むべき道を考える「Cradleカレッジ」
株式会社Cradle(クレードル)は、2025年11月28日、渋谷スクランブルスクエア内のQWSで招待制コミュニティイベント「Cradleカレッジ」を開催しました。このイベントは、企業における人事やウェルビーイング、ダイバーシティ、DEI(多様性、公平性、包括性)をテーマに、未来の働き方を考える場を提供しました。
Cradleカレッジは2023年にその前身「People & Cultureゼミ」として始まり、年に数回のペースで開催。企業の人事担当者が集まり、最新の人事課題や組織づくりについての知見を共有し合う貴重な情報交換の機会を設けています。
第一部講演:ダイバーシティは戦略だ
第一部では、株式会社people firstの代表取締役、八木洋介氏が「ダイバーシティは戦略だ」と題し講演を行いました。
この講演では、ダイバーシティやDEIが企業の競争力や価値創造と直結する経営戦略として再定義される必要性が語られました。日本企業を取り巻く経済環境や人口構造の変化はますます顕著になり、同質性を前提とした組織運営の限界が浮き彫りになっています。多様性を活用することが生産性やイノベーション、組織の健全性に寄与する理由を、具体的なデータや実例を交えながら説明しました。
また、無意識に持つ前提や思い込み(アンコンシャスバイアス)が人材活用や意思決定の質にどのように影響を及ぼすかについても触れ、参加者に自社の運営やマネジメントを見直すきっかけとなる内容が提供されました。講演後のQ&Aセッションでは、「視野の広さをどのように組織として育むか」といった具体的な論点が議論され、参加者同士の活発な意見交換が行われました。
第二部講演:価値づくり起点の人事戦略と制度設計
次に、明治大学商学部の准教授、加藤拓巳氏が「価値づくり起点の人事戦略・制度設計」というテーマで講演しました。
この講演では、従来の「守り」の人事にとどまらず、企業の競争力を向上させるために、どのように人事部門が活躍すべきかについて解説しました。
従業員の価値を最大限に生かすためには、顧客価値の創造と人事戦略・制度設計をどのように結びつけるかが鍵だとも述べ、企業の目的や価値提供と一貫する人事施策の設計が求められています。
さらに、人事がバックオフィスからフロントオフィスとしての役割を果たす必要性が強調され、参加者にとって具体的な示唆を得る有意義な内容となりました。
参加者交流会とその反響
第三部では、参加者同士の自由な交流が行われ、各社の取り組みや課題の共有が行われました。第一部・第二部の講演を踏まえて、「自社ではどう考えるか」「明日から何を変えられるか」といった観点での対話が生まれ、立場や企業の枠を超えたオープンな議論が繰り広げられました。名刺交換や具体的な情報交換が盛んに行われ、イベント終了後の連携や学びの拡張といった兆しも見られました。
参加者からは、「データを用いた説明が分かりやすく、メッセージがストレートに伝わった」「自社のパーパスを見つめ直す機会になった」といった声が寄せられました。さらに、「視野が広がり、仕事への向き合い方を改めて考えるきっかけになった」「認識していなかった前提や思い込みに気付かされた」といった意見も多く、業務や自身のあり方の見直しにつながる貴重な体験があったようです。
Cradleでは、今後も実務で活躍するプロフェッショナルの講演や実践事例を取り入れながら、Cradleカレッジでの学びを深めていく方針です。このような取り組みを通じて、企業の人事担当者が共に成長し、未来の働き方を模索していく姿勢が求められています。