ヤマシタが新たに奈良県にリネンサプライ工場を設立
ホテルや病院向けにリネンサプライサービスを展開する、株式会社ヤマシタが新しい工場「ヤマシタ奈良ホテル関連工場」を奈良県生駒郡に開設することを発表しました。この新工場の設立は、特に急速に拡大しているインバウンド需要に対応するための重要な一歩となります。
新工場の概要と生産能力
新工場はヤマシタにとって最大規模のリネンサプライ施設であり、総工費は約54億円。2025年7月15日に着工し、2026年9月の操業開始を目指しています。新工場の初期生産量は1日あたり40トンを見込んでおり、将来的には最大86トンまで拡大する予定です。この生産能力は、奈良地域の宿泊施設のリネン需要をしっかりと支えることができ、さらなる観光需要の増加に対応するための基盤となります。
新工場では、絡まったシーツを自動的にほどく機械や熱回収システムなどが導入され、省人化とエネルギー効率の向上を図ります。これにより、リネンの品質を確保しながら、コストリーダーシップを実現する高効率なオペレーションを構築することを目指しています。
インバウンド需要の変化
新型コロナウイルスの影響で、インバウンド需要が一時的に減少していましたが、2024年の訪日外客数は過去最高の3,686万人に達する見込みです。政府は2030年までに訪日外客数を6,000万人にする目標を掲げ、おもてなしの基盤となるリネンサプライサービスの存在が一層重要になります。ホテルや宿泊施設は、リネンの供給力と安定性を求めており、ヤマシタが新工場を開設することは、そのニーズに応える明確な方針の表れです。
関西エリアへの戦略的投資
ヤマシタの新工場設立は、関西エリアのリネンサプライ体制を強化するための重要な戦略です。ヤマシタは現在、関東に3拠点を持ちながら、関西には三重県の1拠点のみの状況でした。新しい奈良ホテル関連工場の設立により、供給体制の拡充を図り、物流リスクを軽減する力になります。この新工場の設立は、関西へのさらなる投資と成長を示すものでもあります。
高効率オペレーションの実現
ヤマシタは、リネンサプライ業界が抱える労働集約性や人手不足の問題に対して、オペレーショナルエクセレンスの追求に取り組んでいます。「適正品質」「供給力」「効率性」を同時に満たすシステムを構築し、物流分野では積載率や配送ルートの最適化を進めています。また、IoTやセンサー技術を活用し、設備の管理や洗濯品質をデジタル化することで、作業効率の向上も図っています。
新工場の特徴と期待される効果
新工場は、リネンサプライの供給体制を強化し、インバウンド需要の拡大に寄与するだけでなく、労働環境の改善にもつながると考えています。70人の従業員が働く予定で、将来的には奈良県だけでなく、大阪や京都、和歌山、兵庫などの広範囲なエリアにもサービスを提供できる体制が整います。
【新工場概要】
- - 名称: ヤマシタ関西事業所奈良ホテル関連工場
- - 所在地: 奈良県生駒郡安堵町東安堵1660-12
- - 敷地面積: 約3,000坪
- - 延床面積: 約2,000坪
- - 従業員数: 70人(予定)
ヤマシタは、今後もリネンサプライ事業におけるリーダーシップを維持し、さらなる成長を目指していくことでしょう。