埼玉県のDX推進と「ワンスオンリー申請システム」
埼玉県が掲げるビジョンは「快適で豊かな真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革」です。このビジョンのもと、県は令和6年度から令和8年度までを対象とした「埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画(第2期)」に取り組んでいます。この計画の一環として、埼玉県は「ワンスオンリー申請システム」を構築し、これにより申請手続きのオンライン化を進めています。
映えある発表の場は、2025年8月19日と20日に開催された「都道府県CIOフォーラム 第23回年次総会」です。ここで、埼玉県庁の企画財政部に所属する行政デジタル改革課の並木皓人氏と、オプロの金融・公共&地域DX営業部の石川忠宏氏が壇上に立ち、埼玉県のDX推進の成果を報告しました。
ワンスオンリー申請システムの概要
従来、多くの自治体では申請手続きのオンライン化が受付部分にとどまり、情報を何度も提出しなければならないという不便さがありました。しかし、埼玉県はこれを打破するために「ワンスオンリー」の発想を取り入れています。このシステムは、情報の提出が一度で済み、事前相談から申請・承認・通知まで全てをオンラインで完結できる仕組みです。また、オプロの電子申請サービス「カミレス」を基盤にし、従来分散していた手続きもシステム内でシームレスに行えることが実現されました。
2年間の成果と利用者の反応
セッションの後半では、埼玉県がこのシステムを利用している事業者向けに行ったアンケート結果が発表されました。アンケートでは以下のような成果が明らかになりました。
- - 利用者満足度97%: アンケートでは、どこからでも申請でき、閉庁時間外でも提出可能な利便性が評価されました。利用者の97%が「非常に満足」または「ある程度満足」と回答しました。
- - 時間短縮効果: 申請にかかる時間は、移動時間を含めて半数以上が従来より「1日以上短縮」との回答があり、特に73%が「1時間以上短縮」を実感しています。
- - 職員の業務効率化: 認可や通知もシステム内で完結するため、紙の保存が不要になり、テレワークの促進にも寄与しています。
- - 多様な書類出力の対応: 公印省略やUDフォント対応により、督促状や公的書類の発行もデジタル化されるなど、さまざまな面での進歩が見られました。
これらの成果により、埼玉県はより利便性の高い申請システムを実現しました。
今後の展望
埼玉県では、2025年度を見据え、対象事務を現行の3事務から9事務へ拡大する予定です。今後もさらなる取り組みを通じて、多くの市民に恩恵をもたらす施策を進めていくとしています。
オプロは、この成功事例を基にして他の自治体への展開やSIerとの連携を強化し、公共分野におけるDXの推進をサポートしていきます。
詳細レポートのご案内
本セッションの詳細な内容は、イベントレポートとしてご覧いただけます。ぜひ以下のリンクからダウンロードしてご覧ください。
「カミレス」とは、金融機関や行政機関における申請・承認プロセスを内製でDX推進できる電子申請サービスです。 Salesforceをプラットフォームとして利用し、お客様の環境とシームレスに接続します。
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