アスピリンと大腸がん
2026-03-25 15:42:00

アスピリンが低酸素環境下で大腸がん細胞のグルタミン蓄積を促進する研究成果

アスピリンとPIK3CA変異型大腸がんの新たな関係



近年、解熱鎮痛薬のアスピリンが、がん治療において期待されている新しい役割を果たすことが明らかになりました。特に、PIK3CA遺伝子変異を有する大腸がん細胞に対する治療戦略としての可能性が示されています。この研究は、関西医科大学を主導とする研究グループによるもので、詳細な調査が行われました。

低酸素環境と大腸がん



本研究の核心は、がん細胞が存在する体内環境が酸素不足の「低酸素状態」であることです。がん細胞は、このような環境下での生存戦略を持ち、特にアミノ酸の一種である「グルタミン」の代謝に依存しています。このため、グルタミンはがん治療における重要な標的とされています。

アスピリンの効果



研究チームは、アスピリンがPIK3CA変異型大腸がん細胞内でグルタミンの蓄積を促進するメカニズムを解明しました。RNAシーケンスやメタボロミクスといった最新技術を駆使して、アスピリンがグルタミン代謝に与える影響を調査しました。その結果、アスピリンは低酸素環境下で特に効果を発揮することが示されました。

新たな治療戦略への期待



さらに、グルタミンの細胞内への取り込みを阻害する薬剤「V-9302」とアスピリンを併用すると、がん細胞の増殖をより強力に抑えることができることが確認されました。これにより、アスピリンの抗腫瘍効果を最大限に引き出す新たな治療戦略が見えてきました。

今後の展望



本研究は、アスピリンを用いた新たな併用療法の開発へとつながる可能性があります。がん治療における薬剤の再投与である「ドラッグ・リポジショニング」の一環として、アスピリンの利用はますます期待されるでしょう。これにより、アスピリンが大腸がんの治療においてより効果的な選択肢となることが期待されています。

引用論文


本研究の成果は『Scientific Reports』に掲載されており、今後の癌治療に関する研究に貢献することが期待されています。これらの知見は、特に大腸がんに苦しむ患者に新たな治療選択肢を提供する可能性があるのです。さらに、アスピリンのような既存の薬剤をうまく活用することで、がん治療に新しい道筋をつけることができるかもしれません。

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