国際宇宙ステーションに送られる香りと温熱のアイマスク

宇宙で体験するリラクゼーション

東京都渋谷区に本社を置く株式会社IRiS Tokyoは、特別なアイマスクを開発しました。このアイマスクは、国際宇宙ステーション（ISS）で使用されることが決定した、香りと温熱による新しいリラクゼーション体験を提供する製品です。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）の支援を受けて、宇宙での生活をより快適にするために設計されています。

“香るカプセル”の仕組み

このアイマスクは、IRiS Tokyoが開発した天然香料を用いたブレンドオイルを高密封カプセルに組み込んでいます。使用者はカプセルを指で潰すことで、森林や大地をイメージする香りが広がります。この香りはヒノキやラベンダーなど8種類の天然精油のブレンドから生まれており、宇宙空間でも地球の自然を感じられるように設計されています。

睡眠をサポートする新技術

宇宙飛行士が長期間居住するISSでは、睡眠の質が重要な課題とされています。このアイマスクは、温熱素材「Nウォーム」と組み合わさることで、心地よい温もりを提供し、より良い睡眠環境を実現します。本製品の開発は、株式会社ニトリや三生医薬との共同作業により実現しました。

宇宙への挑戦

宇宙で使用される製品は、地上の製品に比べて高い安全性や耐久性が求められます。このアイマスクも例外ではなく、揮発性の高い精油を安全に使用できる構造にするために、素材選定や構造検証が徹底的に行われました。これにより、JAXAの「きぼう」有償利用制度では初めて、精油を封入したカプセルによる香りの提供が実現されました。

未来に向けたビジョン

IRiS Tokyoは、香りのデザインから製品開発まで一貫して手がけ、心身のウェルビーイングを向上させることを目指しています。このプロジェクトを通じて、宇宙でも地上でもストレスケアや睡眠改善に貢献していく意向を示しています。今後は他の企業と連携し、香りの新たな使い方を探求し、生活を特別にするライフスタイル価値の創出にも取り組んでいくつもりです。

今後、この製品が宇宙でどのように活用されるのか、非常に楽しみです。2025年夏には日本人クルーが実際にこのアイマスクを使用する予定で、宇宙での新しい入眠体験が実現すると思うとワクワクします。