池坊専好氏が語る、未来への命の哲学とアートの役割

2025年大阪・関西万博に向けたアートの探求

2025年に予定されている大阪・関西万博に向け、アートの可能性を探るトークイベント「EXPO PLL Talks」が開催されました。このイベントは、アートローグ株式会社が公益社団法人2025年日本国際博覧会協会などと共同で実施しているもので、モデレーターには鈴木大輔氏が務めました。今回は、いけばなの家元であり、万博協会の副会長を務める池坊専好氏がゲストとして登壇し、テーマ「すべてのいのちと共に輝く未来へ」で語りました。

池坊専好氏のいけばな哲学

池坊専好氏は、いけばなが持つ命の哲学について深く掘り下げました。彼は「いけばなは、いのちのあらゆる状態に美を見出す芸術である」と述べ、咲く瞬間だけでなく、つぼみや実、枯れる過程すらも尊重して作品に昇華します。展示された作品には、命の移ろいが内包され、観る者にその尊さを訴えかけます。

池坊氏は、いけばなの展示においても、3Dプリンターを用いた台座や照明とのコラボレーションを取り入れ、デジタルメディアといけばなの統合を試みています。彼の考えでは、伝統は保守的に維持するものではなく、その時代の出会いや気づきを取り入れることで更新されるものであると強調しました。

心と社会を整えるアートの力

池坊氏は、いけばなが単なる装飾ではなく、心の構え方を見つめ直す行為でもあると語りました。最近では企業向けのワークショップや大学院での講演も行い、いけばながビジネスパーソンに提供するマインドフルネスの効果について紹介しています。それにより、静かな時間が自身の軸を整える機会となる可能性があると示唆しました。

彼は万博を通じて再び関西が文化芸術の中心地として注目されることを期待し、多様性に満ちた関西ならではの表現や価値観の創出に貢献したいと述べました。

大阪関西国際芸術祭の重要性

「Study：大阪関西国際芸術祭」は、2025年の万博との同時開催を目指し、大阪・関西を中心に現代アートを取り入れた国際フェスティバルを展開します。池坊氏は、アートや文化の発信を通じて、より良い社会の実現を目指す活動を続ける重要性を示しました。今回は、池坊氏の考える「いけばな」とアートの関わりについて深く学ぶことができる、貴重な機会となりました。

公式YouTubeチャンネルでは当日の様子が公開されており、イベントに興味がある方はぜひご覧ください。視聴リンクはこちらです。