フリマアプリ利用者の72%が感じる不安とは？返品トラブルがリスクとして浮上

フリマアプリの現状と利用者の不安

近年、フリマアプリの利用が急増していますが、その影にはユーザーが抱える様々な不安が存在します。シンガポールのVELVETT PTE.LTD.の日本法人、ベルベットジャパン株式会社が実施したアンケート調査によると、実に72.2%の利用者が「個人間の取引」に対して不安を感じていることが分かりました。

調査結果の概観

調査は全国の10代から60代の男女363名を対象に、インターネットを通じて行われました。その結果、最大の不安要因は「返品トラブルのリスク」で59.0%。これは、返品詐欺やすり替えといった問題に対する懸念から来ていると思われます。また、45.2%の人々は「取引相手が個人であることの不安」を感じており、個人間取引における信用問題が浮き彫りになりました。

出品時に感じるストレスで最も多かったのは「商品の詳細情報の登録作業」で、16.5%のユーザーが手間を感じていると回答。この結果からは、フリマアプリにおける出品作業の煩雑さや、ユーザーが感じる心理的負担が伺えます。

フリマアプリに対する不安

フリマアプリの利用時における特有の不安要因として、返品トラブルや取引相手の信用問題が挙げられます。特に、近年では返品に対する悪用が頻発しています。実際に、返品を求めた出品者が空箱や異なる商品を返送されるケースが多く、利用者からは「運営会社のサポートが不十分だ」との声が多数寄せられています。

消費者相談件数も増加の一途を辿っており、2014年度には920件だったのが、2023年度には7,965件にまで達しています。個人間取引特有の「相手の顔が見えない不安」や「信頼関係の欠如」が、こうした問題の根本にあると考えられています。

出品作業のストレス要因

さらに調査は、出品時のストレス要因も明らかにしています。商品の詳細情報を登録する手間や写真撮影が非常に手間であると感じているユーザーが多く、出品プロセスにおける心理的な負担が大きいことが分かりました。また、梱包や発送準備に手間を感じるユーザーも多く、出品作業そのものがさらに取引のハードルを高めています。

こうした結果に基づいて、フリマアプリの利用者が求めているのは、出品作業の効率化や、ストレスを軽減するためのサポート体制の強化であると考えられます。

買取アプリの魅力

調査の中では、買取アプリの人気も確認されました。買取アプリは、商品登録が写真を撮るだけで済むため、手軽さがユーザーに支持されています。返品やすり替えの心配がない点も、多くのユーザーにとって大きな魅力です。

特に49.3%のユーザーが「商品登録の手軽さ」を理由に買取アプリを選ぶ挙げていることから、フリマアプリに対する心理的な負担を軽減する有効な選択肢として注目されていることが伺えます。

調査の意義

調査から明らかになったのは、フリマアプリ利用者の「個人間取引のリスク」や「出品作業の手間」といった課題が非常に大きいということです。この問題に対して、運営会社はしっかりとしたサポート体制を整え、ユーザーが感じる不安を取り除く必要性が浮き彫りになりました。

一方で、買取アプリのように、手軽さや安心感を提供する新しい選択肢がより一層求められる業界の動向が見えてきます。ユーザーの心理的な不安を解消し、利便性を追求したサービスの進化は今後の重要な課題と言えるでしょう。