被爆証言の伝承
2026-02-10 13:12:36
広島から世界へ、被爆証言を届ける小倉桂子さんの軌跡と想い
被爆80年を迎えた広島からのメッセージ
2025年8月6日、広島での被爆80年を記念した特別番組『彼女が世界に語る理由』が放送され、2026年2月10日から英語版が全世界へ配信される予定です。この番組は、核兵器廃絶と平和の実現を目指すテレビ新広島(TSS)が制作したもので、被爆体験の継承をテーマにしています。
小倉桂子さんの証言活動
番組の中心となるのは、小倉桂子さん(当時87歳)の被爆体験です。彼女は8歳の時、広島の爆心地から2.4キロメートル地点で被爆しました。軽傷で済んだものの、周りで亡くなっていく人々の姿は、彼女の心に深い傷を残しました。長い間、心の奥にしまっていたこのトラウマは、42歳の夫の急死をきっかけに、彼女が声を上げることになった転機となります。
当時、英語が堪能だった夫の意志を継ぐ形で、彼女は海外に向けて被爆者の声を届け始めました。当初は通訳として活動していましたが、次第に自身の体験を語ることとなり、以降約40年にわたって国内外への証言活動を続けてきました。
未来のための種まき
小倉さんは、自らの証言が次世代へと繋がり、平和に関する意識を高めることを目指しています。2022年にはアメリカのアイダホ大学で、広島市立基町高等学校の生徒が制作した紙芝居「ケイコの8月6日」を使用し、被爆体験を語り、その反応を見つめました。アメリカの学生たちは、小倉さんの話を聞くことで原爆の実態を理解し、英語版の紙芝居を作成するなど、彼女の経験を広めることに取り組みました。
このように、小倉さんの証言を通じて世界中に広がる「平和の種」は、彼女の情熱が生んだ成果でもあります。「声が出る限り伝え続ける」と意気込む小倉さんは、自らの役割を非常に重く受け止めています。日々、高齢になりつつある彼女は、残された時間で“平和への種まき”を進めています。
受け継がれる経験と思い
小倉さんの活動には、草刈正雄さんなど、サポートする人々の情熱も含まれています。草刈さんは、小倉さんから受けたインスピレーションについて述べており、彼女の言葉が教育やメディアの重要性を強調しています。小倉さんの熱意によって、多くの若者がその“平和のバトン”を受け継ぎ、未来に向け走り続けています。
番組を通じて、多くの人々が小倉さんの思いを理解し、広がっていくことが期待されています。現在、被爆者の平均年齢は86.13歳(2025年3月時点)です。小倉さんは「最後の仕事だ」と何度も口にし、次世代に思いを繋げる使命を果たそうとしています。
結びに
小倉桂子さんの活動は、単なる過去の証言にとどまらず、未来へ向けての重要なメッセージを含んでいます。特別番組『彼女が世界に語る理由』を通じて、彼女の経験や想いが多くの人に影響を与えることを願っています。彼女が撒いた平和の種が、未来の世代に根を張り、花を咲かせる日が来ることを信じています。
会社情報
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テレビ新広島
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