ZOZOの新手法発表
2025-10-16 10:23:33

ZOZO研究所が提唱する新しい自然言語処理手法の研究成果とは

ZOZO研究所が新たな自然言語処理技術を発表



千葉県千葉市に本社を構える株式会社ZOZO NEXTの研究開発組織であるZOZO研究所が、自然言語処理の分野で新たなアプローチを提案しました。このたび、彼らの研究成果がトップカンファレンス『EMNLP(Empirical Methods in Natural Language Processing)2025』において論文として採択されたことが発表されました。

研究チームの概要


研究員の和田崇史氏、平川優伎氏、清水良太郎氏、川島貴大氏、斎藤侑輝氏からなるチームが執筆した論文『Static Word Embeddings for Sentence Semantic Representation』、邦題では『文の意味表現のための静的単語埋め込み』と名付けられています。これにより、文章や会話の意味をコンピューターに正確に理解させるための、新たな技術的手法が明らかになりました。

研究背景


最近の自然言語処理は、大規模言語モデル(LLM)の導入により精度が向上してきましたが、同時にそれに伴う膨大な計算資源が必要となることが大きな課題となっています。そのため、ZOZO研究所では、少ない計算リソースで高精度な結果を出す「静的単語埋め込み」技術に焦点を当てました。これにより、文の意味を低コストで高精度に表現できる新モデルを提案しているのです。

提案手法の詳細


この研究でのアプローチは、まず大規模な文埋め込みモデルから静的単語ベクトルを抽出し、次に「主成分分析」により文の意味に関連が薄い次元を削減します。重要な次元のみを残し、「知識蒸留」と呼ばれる手法を使用して、コンパクトなモデルに知識を転送。さらには「対照学習」の技術を使って、似たデータのベクトル表現を整えることで精度を向上させています。

特筆すべきは、本提案手法が非常にシンプルであることです。文中の単語を平均化することで文の意味を捉えられるため、特別なGPUではなく、一般的なCPUを用いたパソコンでも高速に処理可能です。

実験結果


本研究が行った英語の実験の結果、異なる文の意味の類似度計算において、従来のモデルよりも高い精度を達成しました。また、翻訳文の検索など異なる言語間での意味理解においても優れた性能が確認され、日本語、英語、中国語などの言語間でも効果的であることが立証されています。

今後の展望


ZOZO研究所は今後、さらに長文の意味を効率的に捉える手法の研究を進めると共に、ファッション用語を含む文やECサイトの検索クエリ、レビューなどの理解を向上させることを目指します。これにより、各種サービスの利便性を高める努力を続けていく方針です。

ZOZO研究所について


ZOZO研究所は「ファッションを数値化する」をミッションに掲げ、ファッションに関する豊富な情報をもとに科学的解明を進める組織です。2018年に設立され、これまでも様々な研究開発に取り組んでいます。

さらなる詳細や研究内容については、ZOZO研究所の公式ウェブサイト(研究所のURL)をご覧ください。


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会社情報

会社名
株式会社ZOZO
住所
千葉県千葉市稲毛区緑町1-15-16
電話番号

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