理系学生の就職活動、文系学生との違い
株式会社ワンキャリアが実施した2025年卒学生向けの就職活動に関する調査によると、理系学生は志望業界を決めるタイミングや本選考エントリー、内定獲得のスピードが文系学生よりも早いことが浮き彫りになりました。この傾向の背景を探ってみましょう。
1. 学業背景からくる早期の志望業界決定
調査結果によれば、理系学生の約32.5%が「就職活動を始める前から志望業界を決めた」と回答しています。一方で文系学生は26.3%が「選考を受ける中で徐々に志望業界を決めていった」と答えており、理系が12.5ポイントも高いという結果になりました。これは、理系学生が大学で学ぶ専門性の影響であり、より明確な目的意識を持つことが影響していると考えられます。
2. 本選考エントリーのタイミング
本選考のエントリー開始時期についても、理系学生のピークは大学3年の11月であり、文系のピークである2月および3月に比べて3ヶ月早い結果に。実際、理系学生は内定を獲得する時期もこの傾向が顕著で、大学3年の12月時点で18.5%が内定を得ていることがわかりました。これは本選考のエントリー時期が早いからこそ、理系学生が有利に進展していることを示唆しています。
3. 志望度上昇のタイミング
続いて、志望度が最も上がるタイミングについての調査結果も興味深いです。文系学生は「1次面接〜最終面接前までの間に徐々に」が27.5%でトップを占めていますが、理系学生は「インターンシップやイベントに参加した時」という回答が33.7%にのぼりました。これは、理系が職場環境や人間関係をより重視しているからかもしれません。実際の職場環境を体験することで、自身の希望職場との相性を見極めやすくなっていると言えるでしょう。
4. クチコミの影響
入社予定企業の選定において、理系学生は文系学生よりも「クチコミサイトのクチコミ」を重視する傾向があります。特に、現場社員や人事との面談が重要視されている中、理系が住所する情報源としてのクチコミがクローズアップされています。これは、理系学生が自らの選択肢を慎重に考慮している結果として受け取れるでしょう。
5. 就職活動の早期化
全体的な傾向として、近年の就職活動は早期化しています。キャリアアドバイザーの小林直樹氏は、理系学生の場合、学業と就活の時間割が重なるため、より早期の内定獲得に向けた意識が高いと指摘しています。
まとめ
理系と文系の学生では、志望業界の決定や内定獲得までのスピードに明確な差が存在します。これらの結果は、理系が専門性を活かし、より計画的にキャリアを築いていることを示しています。今後の採用活動においては、企業側もこれらの傾向を理解し、より効果的なアプローチを模索することが求められます。
さらに詳しい調査結果については、「25卒振り返り調査レポート」をご覧ください。