UHF帯整流ダイオード
2025-09-28 16:21:22

有機半導体を用いた新たなUHF帯整流ダイオードの開発

有機半導体による新しいUHF帯整流ダイオードの開発



東京大学、物質・材料研究機構(NIMS)、岡山大学、そして科学技術振興機構(JST)の国際共同研究チームが、920 MHzの無線電力を実用的な効率で直流電力に変換する有機半導体を用いた整流ダイオードの開発に成功しました。この成果は、IoT向けの無線通信システムに革新をもたらす重要なステップとされています。

研究の背景と目的


本研究の背景には、有機エレクトロニクスの発展があります。従来の半導体材料に比べ、柔軟性や軽量性、低コストで製造可能な有機半導体は、さまざまなアプリケーションに対応できると期待されています。特に、無線通信やIoTデバイスでは、エネルギー効率の良い整流が求められています。

開発のポイント


本研究では、錯体カチオンの単分子層と電子を局所的に導入する新しいアプローチを採用し、電極の仕事関数を1 eV以上も劇的に変化させることに成功しました。この革新的な手法によって、920 MHzという高周波数帯での動作が実現され、実用的な動作効率は約5%に達しました。

特に注目すべきは、これが有機エレクトロニクス素子として初めて実現される920 MHz帯であり、この成果は既存の技術を超える新たなパラダイムを提示するものといえるでしょう。

研究成果の公表


この研究成果は、2025年9月19日に国際科学雑誌「Science Advances」に掲載されました。この研究が持つ意義は、印刷プロセスを通じて低コストで製造可能な有機エレクトロニクス素子が、GHz帯でも動作する可能性を示した点にあります。これにより、未来の無線通信システムの効率向上が期待されます。

今後の展望


今後は、実用化に向けたさらなる研究が進むことで、IoTをはじめとする多様な分野での応用が期待されます。また、この技術の発展が、電力効率の向上や新たなデバイスの可能性を拓くことが期待されます。

研究助成および関連情報


本研究は、JSTの戦略的創造研究推進事業および科学研究費の助成のもと進められました。研究に関する詳細な情報は、以下のリンクを参照してください。

  • - 研究成果発表ページ
  • - 論文情報 画面構成: 論文タイトル「Polymeric microwave rectifiers enabled by monolayer-thick ionized donors」、著者: Nobutaka Osakabe ら、DOI:10.1126/sciadv.adv9952

お問い合わせ


本研究に関する詳細は、各研究機関の広報室までお問い合わせください。以上の成果は、未来の無線通信技術において大きな変更をもたらす可能性を秘めています。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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