太陽光と農業の新しい形
2026-02-04 14:21:48

太陽光発電と農業の共存!新しい営農型利用法の研究成果を検証

太陽光発電と農業の共存!新しい営農型利用法の研究成果を検証



営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)が、今、水稲や大豆、サツマイモの生産にどのように影響するのかを探る研究が進行中です。千葉大学の研究グループは、この革新的な手法がともに食料生産と再生可能エネルギーの両立に向かう可能性を示唆しています。

研究の背景



農業と再生可能エネルギーはいずれも広い土地を必要とし、これまで土地利用をめぐる葛藤が生じていました。しかし、太陽光発電を農地の上に設置し、その下で農業を行う営農型太陽光発電は、近年、土地利用の効率を向上させる手段として注目されています。日本でも2022年度までに約5,351件の営農型太陽光発電設備が設置されており、農地の有効活用が進んでいます。

しかし、この新しい農業手法を普及させるためには、どの作物と栽培方法が最適かを明らかにする必要があります。特に、水稲、ダイズ、イモ類に関する研究は不足していたため、千葉県内の農業法人と連携し、2024年には水稲、大豆、サツマイモを対象とした調査を行うことになりました。

具体的な成果



調査の結果、作物の種類によって収量への影響が異なることが明らかになりました。水稲では、太陽光パネルが27%を覆う状況でも収量は5%の減少にとどまりました。一方、大豆はパネルが33%を覆った場合、収量が31%減少し、サツマイモは最大40%の減少を示しました。しかし、調査地域の条件を考慮すると、地域の平均収量と比較して減少しない余地もありました。

また、有機栽培のサツマイモに関しては、品種によって遮光の影響の違いが示されました。特に「安納いも」は減収が見られた一方で、「あまはづき」はパネル下でも収量をほぼ維持できました。この結果は、適切な品種を選ぶことで再生可能エネルギーの利用と食料生産の両立が可能であることを示唆しています。

今後の展望



本研究から得られた知見は、営農型太陽光発電においてどの作物と品種を選べば良いかの具体的な指針を提供します。しかし、作物の収量は地域や年によって変動するため、さらなる多地域・長期にわたる研究が必要です。これからもより多様な条件下での検証を進め、農業生産性の向上に寄与していくことが期待されます。

研究プロジェクトについて



本研究は、科学技術振興機構およびアソシエイトアグリからの助成を受けて実施されました。今後、この研究成果に基づく新たな営農の形が広がることに期待が寄せられています。

論文情報


  • - タイトル:On-farm agrivoltaic impacts on main crop yield: the roles of shade avoidance, cultivation practices, and varieties
  • - 著者:Noriko Maruyama, Mizuki Nozawa, Hironori Tomioka, Koji Tachibana, Takeshi Magami, Hidefumi Kurasaka, Masahiro Akimoto, Yuya Fukano
  • - 雑誌名:npj Sustainable Agriculture
  • - DOI:10.1038/s44264-025-00121-w

営農型太陽光発電が新しい農業形態を作り出し、持続可能な社会の実現へ寄与する日も近いかもしれません。


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会社情報

会社名
国立大学法人千葉大学
住所
千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33 
電話番号
043-251-1111

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