エレコム、インドのヘルスケア市場へ本格参入
エレコム株式会社は2025年2月4日、インドのオンライン診療プラットフォーム「メディバディ」を運営する企業との業務提携を発表しました。これによって、インド市場におけるヘルスケア製品やサービスの提供を強化する狙いがあります。この業務提携は、エレコムのヘルスケア事業の拡大を目指す大きな一歩となります。
インドの医療環境とデジタルヘルスケアの重要性
インドでは、10,000人当たりの医師数が約8人という深刻な医師不足が続いており、遠隔医療サービスの普及が急務です。特に、生活習慣病の急増が問題視されています。近年、急速に増える糖尿病患者がインド国内で実質世界第2位に達し、国民の健康に対する影響が懸念されています。
この背景を受けて、エレコムは2023年より「メディバディ」と協力し、実証調査を行い、非感染性疾患の予防と医療サービスの向上に向けた取り組みを進めてきました。
誰もがアクセスできる医療の実現へ
現在、年間600万人以上の人々が生活習慣病によって命の危険にさらされています。医療従事者が不足している中、デジタルヘルスケアを活用することが急務です。エレコムは、「メディバディ」を通じてヘルスケア関連製品とサービスを展開し、誰もがアクセスできる医療環境づくりを目指します。
本提携により、エレコムはBluetoothやWi-Fi機能を搭載した製品によって医療データの収集と管理を行い、個人に合わせた生活習慣病予防プログラムをインド全域で提供することが期待されています。
データ活用による健康改善
「メディバディ」アプリは、医療記録を自動登録し、医師からの健康改善の指導を可能にします。このプラットフォームでは、エレコム製品から収集したデータと「メディバディ」で蓄積された情報を活用し、ユーザー個々に最適化された健康管理プログラムを提案する環境を整えていきます。
重要視されるパートナーシップ
メディバディのCEO サティシュ・カンナン氏は「この提携は、インド全土において高品質な医療を何十億人に届ける道筋だ」とし、予防医療の重要性を強調しました。また、エレコムのヘルスケア事業部長代理である医師の葉田甲太氏は、「インドにおける生活習慣病が増加している現状を踏まえ、医療と生活をつなぐ重要な取り組みである」と述べました。
今後の展望
エレコムは、今後も「メディバディ」との提携を通じて、インド特有のヘルスケア環境に最適化された製品開発を行い、体重計や血圧計などの日常の健康管理に不可欠な製品を提供します。これにより、多様なヘルスケアサービスの展開が進むことで、インドの医療アクセス向上に寄与することが期待されています。
エレコムは1986年の創業以来、IT関連製品の開発から始まり、近年ではヘルスケアを含む多様な分野に事業を展開してきました。エレコムの持つ技術が、インドにおける医療の革新をもたらすことが期待されています。