長野のラーメン店「たけさん」がパリに!
2018年にオープンした長野県小布施町の「たけさんラーメン」。創業240年を超える穀平味噌醸造場の敷地内にあり、土鍋を使った味噌ラーメンが人気のお店です。この「たけさん」が、2024年5月、フランス・パリに海外フランチャイズ店をオープンしました。
「たけさん」の海外進出は、モンゴル2店舗に続く3店舗目。なぜ長野県の一軒だけのラーメン店が、海外でフランチャイズ展開を実現できたのでしょうか?
「味噌ラーメンはスープ料理」海外で求められるラーメンとは?
「たけさん」のパリ進出を支援したのは、株式会社アセンティア・ホールディングスです。同社は、これまで27カ国で200店舗ほどの海外出店を支援してきました。
海外展開の経験から、同社は「ラーメンは麺料理ではなく、スープ料理である」という認識を持つようになりました。特に、イスラム教徒にとって豚骨ラーメンは食べることができません。また、化学調味料を避ける傾向もあるようです。
そこで、同社は「スープを主役にすることができるラーメン」として「味噌ラーメン」に注目。しかし、札幌など味噌ラーメンで有名な地域でも、同社の求める「味噌がしっかり際立ったラーメン店」は見つかりませんでした。
世界に通用する味噌ラーメンを求めて
そんな中、アセンティア・ホールディングスは、SNSで「長野で新しい味噌ラーメン店をつくります」という投稿を見かけます。それが、小布施町で創業した「たけさん」でした。
「たけさん」は、横浜家系で修行したオーナーが「長野のご当地ラーメンを作りたい」という思いから創業したお店です。当初は豚骨味噌ラーメンを提供していましたが、アセンティア・ホールディングスは、世界展開を目指すためには、豚を使わないハラルメニューやヴィーガンメニュー、化学調味料不使用のラーメンが必要だと訴えました。
「信州味噌蔵ラーメン」誕生
「たけさん」のオーナーは、2週間で試作品を作り、動物性食品不使用かつ化学調味料不使用の「信州味噌蔵ラーメン」を開発しました。このラーメンは、2018年1月に小布施店で販売開始され、中高年層を中心に人気を集めました。
フランチャイズ化で海外展開へ
アセンティア・ホールディングスのサポートのもと、「たけさん」はフランチャイズ化を進め、海外展開の準備を進めました。2019年には、モンゴル・ウランバートルに1号店をオープン。その後、2号店もオープンし、安定的な売上を上げています。
2019年には、世界最大のヴィーガンフェスティバル「Vegan Summer Festival Berlin 2019」にも出店。3日間で1000食以上を売り切り、EU市場での可能性を感じました。
パリへの進出
コロナ禍で海外展開が一時的に停滞したものの、2023年には、フランス・パリからのフランチャイズ希望者が現れ、パリ店がオープンすることになりました。
パリ店は、サンタンヌエリアという日本食店が集まるエリアにオープンしました。物件探しから施工まで、アセンティア・ホールディングスのサポートのもと、現地スタッフと連携して進められました。
「たけさん」の成功要因
「たけさん」の海外展開成功の要因は、以下の点が挙げられます。
世界で通用するラーメンの味:動物性食品不使用、化学調味料不使用の「信州味噌蔵ラーメン」は、宗教や食習慣に関わらず受け入れやすいラーメンです。
ストーリー性:創業240年の老舗味噌蔵とのコラボレーションなど、歴史と文化を感じさせるストーリーは、海外のお客様の心を掴みました。
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フランチャイズによる効率的な展開:フランチャイズ制度により、現地スタッフと連携しながら、効率的に海外展開を進めることができました。
今後の展望
「たけさん」は、今後もフランチャイズ展開を進め、世界中に味噌ラーメンを広めていく予定です。日本の食文化を海外に発信し、世界中の人々に「たけさん」の味を届ける挑戦は、まだまだ続きます。
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