未来を拓く連携
2025-07-07 11:33:16

農林水産業の未来を拓く!NACS-Jと農林中央金庫の連携協定の意義

先日、農林中央金庫(以下、農林金庫)と公益財団法人日本自然保護協会(以下、NACS-J)は、農林水産業および食農関連産業のネイチャーポジティブ(自然再興)推進を目指す連携協定を締結しました。この協定は、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みとして注目されています。

1. 環境問題への危機感と歴史的背景



近年、私たちの生活を支える自然環境が急速に損なわれています。原因は大量生産・廃棄を前提とした経済の考え方によるもので、多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。この背景の中、2022年に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」が大きく注目されており、2030年までの自然回復を目指す動きが進んでいます。特に重要なのが、ネイチャーポジティブという概念であり、社会全体が自然環境と調和したシステムを構築する必要があるという合意がなされました。

2. 連携協定の具体的な内容



今回の協定の中心には、農林金庫の強力な金融支援に基づいた、農林水産業のサステナブルな転換を促進することがあります。協定では、農林金庫が持つ会員団体や投融資先に対して、NACS-Jが持つネイチャーポジティブに関する専門的な知見を活かし、自然の状態を評価する指標の策定やモニタリング支援を行います。

具体的には、次の3つの柱に取り組むとしています。
1. 自然の評価指標の活用プラクティス形成:国内の実情に即した自然状態を評価する方法を共に開発し、広く社会に発信します。
2. ネイチャーポジティブ向けファイナンスの開発:農林金庫の金融知識を基に、食品・飲料メーカーなどに対する新たな金融イノベーションを創出します。
3. 農林水産業におけるプロジェクト構築:価値ある自然素材の評価や監視システムを構築し、各産業に提供していきます。

3. 未来への展望



農林金庫とNACS-Jは、今後協力しながら、ネイチャーポジティブ推進のためのプラクティスやファイナンスソリューションの開発、プロジェクト構築を進めます。特に、生物多様性を重視した高付加価値市場の開発を行い、環境への影響を最小限に抑えたビジネスモデルを構築することが求められています。

4. 両者の理念



農林金庫は1923年に設立された金融機関で、農業者をサポートすることを目的としています。「持てるすべてを生命に向けて」という思いのもと、持続可能な農業を支えるネイチャーポジティブの推進を重要視。NACS-Jも1951年設立以来、持続可能な自然環境の保全を目指しています。

5. 結論



この連携協定は、環境問題解決に向けた第一歩として、農林水産業と食の関係を新たに捉え直すきっかけとなるでしょう。持続可能な社会の実現に向け、多くの人々にその重要性が伝わることを願っています。私たち一人一人が、この取り組みに参加することが、未来を変える重要な要素になるのです。


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会社情報

会社名
公益財団法人日本自然保護協会
住所
東京都中央区新川1-16-10ミトヨビル2F
電話番号
03-3553-4101

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