船舶管理会社UMMS、NAPA社と提携し温室効果ガス排出削減へ - 航路最適化とCIIシミュレーション導入
シンガポールを拠点とする船舶管理会社Union Marine Management Services (UMMS)は、フィンランドの海事ソフトウェアプロバイダーであるNAPAとの提携を発表しました。この提携により、UMMSが管理する55隻の船舶にNAPA Voyage OptimizationとCII Simulatorが導入され、温室効果ガス排出量の削減を目指します。
NAPA Voyage Optimizationは、船舶の航路と速度を最適化することで、燃料消費量と温室効果ガス排出量を削減するソフトウェアです。UMMSでは、このシステムを既存の社内船舶管理ウェブポータルIntuitShipに統合することで、船主が直接アクセスできるようにします。
NAPA Voyage Optimization導入による効果
燃料消費量と温室効果ガス排出量の削減(推定平均5~10%)
天候や海況などのリアルタイムデータに基づいた航路計画の提案
* コストと環境負荷の最小化
一方、NAPA CII Simulatorは、船舶のCIIランク(炭素強度指標)を予測し、様々な対策が船舶の評価に与える影響をモデル化するツールです。これにより、船主は強化される規制に対応し、目標数値を達成するための戦略を立てることができます。EU ETS(排出量取引制度)のコスト予測にも役立ちます。
UMMSのManaging DirectorであるVinay Gupta氏は、次のように述べています。
「CII、EU ETS、FuelEU Maritimeといった新しい規制の導入に伴い、船主は燃料消費量と温室効果ガス排出量を即座に削減できるデジタル技術への関心を高めています。当社はNAPAと提携し、彼らの実績のあるソリューションを当社のプラットフォームに統合することで、お客様である船主の脱炭素化への取り組みを支援します。航路最適化とシュミレーションツールによって達成される業務改善は、将来性のある船隊、コンプライアンスの強化、ビジネスの繁栄に不可欠です。」
NAPAのShipping SolutionsのExecutive Vice PresidentであるPekka Pakkanen氏は、次のように述べています。
「船舶から排出される温室効果ガスを削減するため、現実的で実用的、かつ速やかなソリューションを提供できるデジタル化は、脱炭素化の成功には不可欠です。デジタル化により、見識を磨き、船上から陸上まで、業界のニーズに応える真の統合ソリューションを創り、海運業界における脱炭素化への取り組みの橋渡し役として機能することができます。」
UMMSについて
UMMSは、2012年にシンガポールで設立された船舶管理会社です。世界中の船主に高品質な船舶管理サービスを提供しています。「ハッピーシップ」というコンセプトと、「透明性、誠実さ、相互尊重」というコアバリューを信念としています。
現在、日本、マン島、ギリシャ、ベトナム、中国、シンガポール、ドバイの船主のために、81隻のドライバルク船を管理しています。シンガポール、ノルウェー、インド、フィリピン、ベトナム、中国にオフィスを構え、船員の多くはフィリピンとベトナムから来ています。
NAPAについて
NAPAは、世界の海運業界向けにソフトウェアとデジタルサービスを提供するリーディングカンパニーです。データサイエンスを活用することで、より安全で持続可能な、将来を見据えた海運業を実現しています。
1989年に設立され、船舶設計のためのスマートソリューションを提供しています。現在では造船における世界的な業界標準となっており、新造船の90%以上がNAPAの顧客によって建造されています。
本提携は、海運業界における脱炭素化への取り組みを加速させる重要な一歩となります。