AIを駆使した下水道管路劣化判定の共同研究
京都市の上下水道局と株式会社Rist、さらにこの度弊社が加わり、AIを活用した下水道管の劣化判定を効率化するための共同研究を始めました。この取り組みは、次世代のインフラ維持管理に向けた重要な一歩とされており、2027年3月までの2年間で進められます。
背景
京都市上下水道局は、管路の改築更新を行っていますが、事業拡張時に整備された管路が今後次々に耐用年数を迎える状況です。このことから、限られた予算の中で効果的に管路を維持するためには、より効率的な調査を行うことが求められています。
これまでの取り組みとして、当社は地理情報システム(GIS)を駆使して管路調査データを効率的に蓄積する方法の調査研究を行ってきました。京都市上下水道局は、パシフィックコンサルタンツ株式会社(PCKK)とともに、高画質な管口カメラ画像を使った劣化判定のためのAIモデルの共同研究を進めています。
本題の共同研究では、これらのAIモデルとGISとのAPI連携を弊社が構築し、下水道管の劣化判定を効率化するシステムを開発することを目的としています。
共同研究の具体的な内容
この共同研究では以下の要素に焦点を当てます:
1. データベースの構築
GISに蓄積されている下水道管内の画像データをAIが判定し、新たに調査記録と判定結果を整理したデータベースを作ります。これにより、劣化状況を迅速かつ正確に把握できる仕組みを整備します。
2. 操作性の向上
タブレットを用いた操作を実現し、高画質管口カメラによる調査データの撮影、管理、劣化判定、結果保存までを一元管理できるシステムを目指します。
今後の展望
この共同研究により、維持管理業務の点検調査支援や人材育成に寄与することが期待されています。また、実用化に向けた実証実験も行う予定です。AI技術の導入は、今後のインフラDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも大いに寄与するでしょう。
弊社は、「健全な水と環境を次世代に引き継ぐ」という目的を掲げ、持続可能性とレジリエンス向上のための技術開発に今後も力を入れてまいります。