次世代AIアプリの運用を変革する「Squadbase」を正式リリース
株式会社Queueは、2023年10月に社内向けAIアプリのセキュアな共有と運用を実現するクラウドプラットフォーム「Squadbase」を正式にリリースしました。このプラットフォームは、StreamlitやNext.jsなどの主要なAIアプリやWebフレームワークに対応しており、ユーザーはシンプルなGitプッシュでアプリを本番運用できるという特長があります。
1. 「Squadbase」の開発背景
近年、企業内でのAIアプリの増加は目覚ましく、特に「AI部門」が立ち上がるケースが増えています。しかし、これらのアプリを本番環境で運用するためには、AWSやGCP上に多くのサービスを組み合わせる必要があり、構築や保守にかかるコストが膨れ上がっていました。さらに、認証や権限管理の設定の不備からデータ流出のリスクが高まってしまうことも大きな問題です。これらの点を受けて、ユーザーからのフィードバックを適切に受け取ることが難しくなり、改善のサイクルが停滞するという課題にも直面しています。
2. 「Squadbase」誕生の経緯
Queueは9年前からAIと機械学習の研究開発に取り組み、多くの日本企業のプロジェクトを支援してきました。2022年にはChatGPTが登場し、一般の人々がコードベースのAIアプリを制作できる時代が到来しました。そこで、私たちはOSSフレームワーク「Morph」の開発に着手し、AIアプリの民主化を図りました。
しかし、Morphを自社のクラウド基盤にデプロイする中で、フレームワークに依存しない安全な運用と継続的な改善が可能な仕組みの欠如を痛感しました。この経験をもとに、AIアプリのデリバリーをより円滑に行うためのクラウドプラットフォーム「Squadbase」を企画し、開発に着手しました。
3. 「Squadbase」の主な機能
- - ワンクリック・Gitプッシュデリバリー: GitHubまたはGitLabに配置した`squadbase.yml`またはDockerfileを基に自動でパイプラインを起動し、アプリをデプロイできます。
- - エンタープライズ標準のセキュリティ: デフォルトでOIDC認証が有効化されており、データ暗号化やTLS 1.2の通信も標準で装備。アプリ単位でのRBAC設定が可能で、厳格なアクセス管理を実現しています。
- - Observability & Feedback: デプロイから180秒でアクセスログの可視化が行えます。アプリ内には自動的にコメントボックスが挿入され、現場のフィードバックを開発者に迅速に伝えることができます。
- - フレームワークの非依存性: StreamlitやNext.jsといった異なるフレームワークも同じ手順でデプロイ可能で、開発者はインフラ構築から解放されます。
- - 将来的な自律的最適化: 2025年中には、業務データをAIが解析し、リソースの最適化やプロンプトの改善提案を行う機能が追加される予定です。
「Squadbase」の利用は、本日より全ユーザーに開放されており、無料プランではアプリ数やチームメンバー数に制限がありますが、十分な機能を備えています。有料プランも用意されており、利用規模に応じた従量課金制となっています。
代表者の思い
代表取締役の柴田直人氏は、「AIアプリを作成することはもはや誰もが可能な時代ですが、その運用や改善を続けることは依然として難しい課題です。Squadbaseはこのギャップを埋め、企業のDXの推進を加速させることが目的です。今後もAIを活用した自律的な最適化機能を追加し、運用の負担を大幅に軽減していく予定です」と述べています。
より詳しい情報や「Squadbase」に関するサービスサイトは
こちらからご覧いただけます。