フィリピンの脱炭素戦略に関する共同研究
三菱重工業株式会社は、フィリピンにおける電源構成計画及び脱炭素計画に関して、フィリピン大学と合意覚書(Memorandum of Agreement)を締結しました。この取り組みは、経済産業省が支援する「令和5年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」の一環として行われます。三菱重工は、フィリピンの脱炭素政策に貢献することを目指しており、共同研究を通じて具体的な戦略を構築していく意向です。
フィリピンのエネルギー計画
フィリピン政府は、2040年までに再生可能エネルギーによる発電比率を50%に引き上げるという高い目標を掲げています。これを達成するためには、再生可能エネルギーの導入を拡大すると同時に、系統の安定化にも対応する必要があります。また、経済成長が見込まれるフィリピンでは、将来的な電力需要の増加を考慮して、ガス火力発電の新設も着手される予定です。
この背景の中、三菱重工業は独自の電力市場シミュレーションを駆使して、フィリピンのエネルギー計画を実行可能な形で分析し、電力需要の増加に対して最適な電源構成を提案します。特に国のCO2排出量削減を促進するための電力供給戦略が重要視されています。
共同研究の具体的な目標
この共同研究を契機に、フィリピン政府に対する脱炭素戦略の提案を行うほか、国内の産業界に対してもエネルギー設備の最適化提案を行う計画です。フィリピンにおけるエネルギーや電力市場に関する幅広い提案を通じて、同国の持続可能な発展に寄与することを目指しています。
三菱重工業グループは、2040年までにカーボンニュートラルを達成することを掲げ、「エナジートランジション」に戦略的に取り組んでいます。これにより、エネルギー供給における脱炭素化を進め、持続可能な社会の実現に貢献していく所存です。
経済産業省の支援について
経済産業省は、海外における未来産業の成長を支援するため、グローバルサウス地域の国々で日本企業が現地企業と連携し、強靭なサプライチェーンの構築を目指す事業を支援しています。この取り組みは、国際的なカーボンニュートラルの実現や経済成長の促進に寄与しています。
フィリピンでの脱炭素戦略に関する共同研究は、今後のエネルギー供給の在り方を大きく変える可能性を秘めています。同国の持続可能な発展をサポートするため、三菱重工業は今後も様々な取り組みを進めていくでしょう。