TESSグループ、椿本チエインと新たな実証実験を開始
テスホールディングス株式会社は、連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社と株式会社椿本チエインとの共同で、通勤用の電気自動車(EV)を活用したエネルギーマネジメントシステムの実証実験を開始したことを発表しました。この実証実験は、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、特に通勤用EVの充放電効率の改善を目的としています。
EV充電における課題
最近、世界的にEVの普及が進む中で、充電インフラの整備が喫緊の課題とされています。今回の実証実験では、椿本チエインの埼玉工場に設置されたV2X対応充放電装置「eLINK」を活用し、従業員の通勤用EVの充放電を実施します。
充電には通常、7~10時間を要しますが、就業時間中に効率的に充電を行うことで、充電時間の確保に関する課題を解消することを目指しています。
実証実験の具体的な内容
この実証実験では、以下の3つの重点項目が取り組まれています。
1.
充放電の最適化: 通勤距離を考慮した充電順序の設定により、設定された契約電力を超えずに複数台のEVを同時に充電できる仕組みを構築します。また、放電機能を利用して、事業所での電力ピークをカットし、コスト削減に寄与します。
2.
アプリによる管理システム: EV通勤者はスマートフォンを使用して、自身の通勤距離に応じて配布されたポイントを基に充電量を設定できます。さらに、放電による協力に応じてポイントが与えられる仕組みが提供されます。
3.
通勤コストとCO₂排出量の削減: EVへの切り替えによる通勤コストは、ガソリン車と比較して1/5から1/3に低減する見込みです。このシステムを通じて、CO₂排出量の削減も実現し、企業の環境負担軽減に寄与することが期待されています。
今後の展望
この実証実験は2025年1月まで実施され、収集したデータを分析することで、システムのさらなる高度化を目指します。2024年度中にこのマネジメントシステムの販売を開始する計画もあり、関心を持つ方には見学会を開催するそうです。
TESSグループは今後も、脱炭素社会に向けたEV管理サービスの開発を進め、顧客企業に対するエネルギーソリューションを提供していく意向です。