医療業界の未来を切り開く！NTTと新潟大学がAI支援で医師不足解消に挑む

医療業界の未来を切り開く共同研究

国立大学法人新潟大学とNTT東日本が、2025年から2026年にかけて、医療業務の効率化を図るため、医療文書作成を支援するAIモデルの開発に取り組むことを発表しました。この取り組みは、医師不足や医師の偏在といった深刻な課題に直面する日本の医療業界に新たな希望をもたらす可能性があります。

現在の医療業界の課題

近年、日本の医療業界は、医師不足や地域偏在の問題に苦しんでいます。特に地方や過疎地域では医師の数が大幅に不足しており、患者への医療サービスが行き届かない状況が続いています。これは、都市部に集中する医師の負担を増大させる結果となり、医療サービスの質低下や医師の過重労働といった問題に発展しています。

厚生労働省が発表したデータによると、新潟県は日本全国で医師が最も不足している地域の一つであり、地域医療の強化が急務とされています。その一方で、医師は日常的な業務の中で、多くの時間を事務作業に費やしています。特に、医療文書である診断書や診療記録の作成に多くの時間がかかり、これが医師の労働時間を圧迫する要因となっています。

2024年には医師の働き方改革制度が施行され、勤務時間の上限規制や休暇の取得促進が強化される予定です。この改革を実現するためには、医師の業務を効率化し、働きやすい環境を整える必要があります。

AIによる解決策の模索

今回の共同研究では、NTTが開発した「tsuzumi」という大規模言語モデルが活用されます。このモデルは、高い日本語処理能力を持ちながらも、軽量で動作することが特徴です。tsuzumiを用いることにより、医療現場で使用される専門用語を適切な文脈で出力し、医療文書をスムーズに作成できるようになります。

具体的な実施内容として、診察現場から収集されるデータを基に、必要な情報を抽出して医療文書のドラフトを自動生成します。これにより、医師は日常業務の合間に文書作成の負担を軽減し、より多くの時間を患者への対応に充てることが可能になります。