共栄木材、四国初の大スパン木造事業を本格化
愛媛県伊予市に本社を置く株式会社共栄木材は、地域初のネイルプレートトラス生産設備を導入することで、大スパン木造事業の展開に乗り出しました。これにより、倉庫や工場、農業施設などの大型構造物に対応できる体制が整いました。
ネイルプレートトラスの特徴
ネイルプレートトラスは、建物の屋根や床に使用される木材の接合に特化したトラスで、両面から圧入された鋼板によって高い強度を誇ります。このトラスを専用CADで設計し、工場で一貫して加工・組立・検査を行うことで、品質の安定性が確保されるとともに、現場での施工効率も向上します。
共栄木材は、木質トラス専用工場を新たに設立し、地域の設計事務所や工務店と連携しながら、木造による無柱空間の提案を行います。この新しい設備の導入により、四国地域での木材の利用が促進され、建物のスパンが20メートルを超えることも可能になるなど、さまざまな設計の選択肢が広がります。
自社の取り組み
共栄木材は、2009年から自社の「三秋プレイス」にてI型ジョイストを使用した大スパン工場を建設し、実際にその空間を利用することで経験を積んできました。2022年には、高強度LVLを用いた新しいトラスを使用した「三秋バーン」を完成させ、これが大スパン木造の理解を促進する大きな機会となりました。実際に一般公開したところ、500名以上の見学者がこの空間を体感しました。
建物の使い勝手を重視した設計
大スパン木造の設計においては、ただトラスのスパンを測るだけでなく、完成後の利用価値をしっかりと考える必要があります。共栄木材では、フォークリフトや大型車両が通る際の動線や、荷物の保管方法、さらには天窓からの日焼けなど、完成後の実際的な要素を事前に計画に盛り込むことを重視しています。このため、初期プランの段階から相談を受け付け、材料の寸法や施工法を効率よく選択できるようサポートしています。
研究と実験の取り組み
愛媛県の「令和7年度 新たな県産材利用促進事業」の一環として、共栄木材は地元の農林水産研究所にお願いし、接合部の強度を実験で確認する試みに取り組みました。これにより、設計に取り入れる強度の基準をしっかりと確立し、国産木材を使用したトラスの普及を進めています。
未来に向けての展望
共栄木材は、四国での新たな木質トラス事業を通じて、木造建築の選択肢を広げていく方針です。さらに、自社の施設見学を通じて実際の無柱空間の体験を促し、地域社会との連携を深めていく考えです。その結果、従来の鉄骨造に代わる新しい選択肢としての木造工法が普及することを目指します。
会社概要
株式会社共栄木材は1948年に創業し、木材加工や販売を行っています。愛媛県伊予市を拠点として、木質トラスや2×4パネルなどを手掛け、その品質と技術で地域に貢献しています。公式ホームページでは、工場見学の申し込みや最新情報を掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。