医療の未来を形作る!「内視鏡手術支援プログラムSurVis-Hys」の承認
株式会社Jmeesと国立がん研究センター東病院が共同開発した「内視鏡手術支援プログラムSurVis-Hys」が、2024年8月2日に厚生労働省から医療機器としての承認を受けました。このプログラムは、内視鏡下で行われる腹腔鏡手術およびロボット支援手術において、医師が手術中に尿管や膀胱を認識しやすくするための革新的な技術です。これにより、患者に対する合併症リスクを軽減することが期待されています。
SurVis-Hysの機能について
「SurVis-Hys」は、内視鏡映像中における尿管と膀胱の部位をAI技術を利用して検出し、手術の際にそれらの領域を強調表示することにより、医師の認識感度を向上させます。特に、内視鏡下での手術では、患者の負担が軽減される一方で、尿管や膀胱への損傷といった合併症のリスクが増加するため、外科医の正確な認識が極めて重要です。
性能の評価
本プログラムの性能は、全国29の施設から収集したデータをもとにした評価試験において示されており、医師が単独で行った場合と比較して、SurVis-Hysを使用することによって尿管の認識感度が14.6ポイント、膀胱が15.8ポイントそれぞれ有意に向上したことが確認されています。この結果は、手術中の意図しない損傷を未然に防ぐ有力な手段となりうるものとして、多くの期待が寄せられています。
今後の展開と目的
承認取得に伴い、Jmeesは販売に向けた準備を進めており、販売開始の日程は公式ウェブサイトで発表する予定です。また、SurVis-Hysは内視鏡手術に留まらず、他の外科領域への展開も視野に入れて開発を続けるとのこと。臨床試験を通じて、臓器損傷リスクに関する知見を深め、他施設への普及および国際的な展開を行う計画です。
開発の背景と医療者のコメント
本製品の開発には、国立がん研究センター東病院の婦人科医師らが大きく関わっており、手術中の臓器認識を支援する技術の向上が目指されています。田部宏医師は、「手術中の尿管・膀胱の同定は年々改良されており、承認を受けたことにより、日常臨床での利用が実現することは大きな前進です」とコメント。これにより、外科医の教育や技術評価の向上にも寄与することが期待されています。
国立がん研究センターとJmeesについて
Jmeesは国立がん研究センター発のベンチャー企業で、AI技術を用いた医療支援システムの開発に特化しています。また、NEXT医療機器開発センターは、産学官連携で新しい医療機器の開発を支援する重要な施設として機能しています。
結語
今回の承認取得は、内視鏡手術の安全性を向上させるための重要な一歩となります。今後も、医療技術の革新が患者の健康と医療現場を支えることを期待したいです。