固有の学びをサポートする新たな試み
現在、教育現場でのICT活用が進む中、株式会社すららネットは鳥取大学附属小学校と共に、AIを活用した個別最適な学びを提供するための実証研究に取り組んでいます。この取り組みは、2025年1月から始まり、特に小学3年生から5年生を対象とした「すららドリル」というAI搭載型の学習ツールを中心に進められています。
AIドリルによって広がる学びの可能性
この実証研究の目的は、「学習データの利活用」と「個別最適な学びの実現」です。具体的には、児童の学習履歴をもとにそれぞれの苦手な分野や問題点を特定し、AIドリルを通じて個々に応じた推奨復習ドリルを提供するモデルを構築することです。
第1フェーズでは、すららネットが児童の1月の課題提出や自学自習の記録を分析し、個々のドリルの正答率が低いユニットを選定しました。こうして得られた「おすすめ復習ドリル」を2月上旬に配信し、その後も継続して学習を促進しました。
学習意欲の向上とその要因
中間報告では、児童の学びにおける姿勢と「おすすめ復習ドリル」の達成率に関して分析が行われました。特に、問題の解決に自信が持てない児童が積極的にこの復習ドリルに取り組む傾向が見られました。要するに、AIドリルによって個々の学習ニーズが具体的に示されたことで、「挑戦してみよう」という気持ちが湧きやすくなっているのです。
また、教師によるサポートも大きな役割を果たしており、特に心理的なハードルを下げるための声かけが重要なことが確認されました。このことから、単にAIに頼るのではなく、教師の寄り添った支援がカル外国語学習における成功の鍵であると強調されています。
教育の未来を見据えて
さらにこの中間報告によると、子どもたちの中には「苦手な問題ばかり提示される」といった偏見から復習ドリルへの取り組みをためらうことがあることも明らかになりました。これを解決するためには、教員がAIのダッシュボードを効果的に活用し、適切なタイミングで子どもたちに声をかけることが求められています。
今後、すららネットはAIドリルと教師の連携を強化し、学習の心理的障壁を低くするための工夫を続けていきます。また、教員の伴走支援を充実させることで、さらなる学びの促進を目指していく考えです。
すららドリルの特徴
「すららドリル」は、国語、算数/数学、英語、理科、社会の5教科を対象としたAIを利用した教材であり、学年を超えて柔軟かつアダプティブな学習を可能にしています。
この教材の特徴は、AIによるつまずき診断や出題難易度コントロールにより、個々の理解度に適した問題を提供できる点です。また、テストの自動作問・採点機能や自動復習登録機能により、教員の負担軽減にも寄与します。
教育の変革を実現
株式会社すららネットは「教育に変革を、子どもたちに生きる力を。」を理念に掲げ、全国の公立および私立学校、学習塾において、約25万人の児童生徒に質の高い教育機会を提供しています。そして、この共同研究の成果を活かして、全国の教育現場への展開を進めていく予定です。このように、AI技術を軸にした新たな学びの支援モデルは、教育の未来に大きな影響を与えることでしょう。