インフルエンサーの信頼性がマーケティングの未来を左右する理由
近年のインフルエンサーによるマーケティング手法は、生活者とブランドの接点を増やし、消費者に対する影響力を大きくしてきました。しかし、その一方で、消費者の中には依然として・インフルエンサーが発信する情報に対する不信感を持つ人も多いというのが実情です。
この問題を解決するために、一般社団法人クチコミマーケティング協会が2024年12月に実施した「インフルエンサーマーケティングの信頼性」に関する意識調査は、今後のマーケティング戦略にとって貴重な示唆を与えてくれます。
調査の概要
調査は、全国の20代から30代の男女を対象に、オンラインで実施されました。全体で1033人からの有効な回答が得られ、その中から特にインフルエンサーによる商品紹介経験のある811人を対象に信頼性に関する意見を分析しています。
消費者の意識
調査結果によると、インフルエンサーマーケティングに対する一般的な見方は決して好意的ではありません。関係タグ(#PRなど)が付けられた投稿について、36.4%の人が「単なる広告だと思っている」と答え、この手法が広く広告とみなされていることが分かります。
また、回答者の36.1%は「信頼できるインフルエンサーとできないインフルエンサーがいる」と感じており、24.0%は「彼らは自分の利益のために推薦している」と考えていることも発覚。
このように、インフルエンサーに対する信頼感はあまり高くないことが裏付けられています。
信頼性に影響する要因
インフルエンサーの信頼性に影響を及ぼす要因としては、「社会人としての常識やマナー」が30.6%、「商品・サービス自体の怪しさ」が30.2%、さらには「紹介された良い点と悪い点のバランスを示すこと」が29.7%、などが挙げられています。これにより、インフルエンサー自身の人間性や評判が、消費者からの信頼を得るためには重要であることが明らかになっています。
期待される姿勢
調査結果からは、インフルエンサーはただ商品を推薦するだけではなく、その商品に対する誠実な姿勢や透明性を持つべきであると消費者から期待されていることが分かります。業界全体がこの期待に応え、「インフルエンサーマーケティング」を推進することで、信頼性を確保する必要があるでしょう。
現在のマーケットにおいて、誠実さや透明性はこれからの時代に必須の要素であると言えます。
今後の展望
これらの調査結果は、さらに多くのインフルエンサーや企業がその存在意義を見直すきっかけになるでしょう。信頼性を高めるためには、インフルエンサー自信が社会的責任を果たし、消費者との信頼関係を構築していくことが求められます。特に、商品の本質や価値を正確に伝えることで、真のファンを作り出すことができるでしょう。
クチコミマーケティング協会は、2025年3月28日にこの調査の結果をもとにした発表会を行います。マーケティングにおけるインフルエンサーの役割についてさらに深く考えてみる良い機会となることでしょう。