難病治療の最前線
2024-10-21 15:50:30

血液領域の指定難病治療の最前線を知るセミナー開催

イベント開催レポート:第86回日本血液学会学術集会イブニングセミナー



2024年10月12日、京都国立国際会館で行われた「第86回日本血液学会学術集会 イブニングセミナー」では、血液領域の指定難病に焦点を当てた議論が展開されました。このイベントはアレクシオンファーマが共催し、特に「治療と社会の『いま』を知る」と題し、難病の診断や治療に関する最新情報が共有されました。

講演内容


最初の講演では、香川大学医学部の門脇則光教授が登壇しました。彼は341の指定難病の中から血液領域の15疾患を選び、これらが診療において希少であるため、経験を積みにくいことを指摘しました。特に、指定難病の患者は医療費助成制度により治療が継続可能である点が強調されました。門脇教授は、確定診断に時間を要することや、確立された治療法が限られていることが難病患者の大きな問題であると説明しました。

しかしながら、最近では新しい作用機序を持つ難病治療薬が増えており、これを見ることができるようになったことは希望の兆しであると明かしました。新規薬剤の開発も進行中であり、今後の治療環境の改善が期待されています。

次に、READYFOR株式会社の市川衛客員准教授が「難病にまつわるコミュニケーションの『いま』」について話しました。1972年に始まった難病対策要綱の制定から現在の法律制定に至るまでの過程を振り返り、難病患者、医療従事者、そしてご家族間で異なる「難病」のイメージがコミュニケーションを難しくしている要因として指摘されました。

市川氏は、医療チームとしての連携が重要であり、患者と医者が共に話し合う場を設けることの意義を提案しました。このようなコミュニケーションの改善により、新たな気づきや研究のネタが生まれる可能性があると述べました。

ディスカッション


講演後には、患者の診断にかかる時間の問題、いわゆる「診断ラグ」についてのディスカッションも行われました。ここでは、希少な疾患に関する経験不足や、多科への紹介が難しい理由が診断ラグを生じさせている要因として挙げられました。これに対し、患者に関わる医療従事者全体がチームとして協力することや、地域の病院と診療所との連携が重要であるとの意見が出ました。

さらに、最近注目を浴びている総合診療医の育成が国の方針として進められている点にも触れられ、今後の診断ラグ解決策として期待されるポイントが示されました。

行事概要


このイブニングセミナーは、血液領域の難病における最新の診断・治療スタンスを理解し、医療従事者と患者の意識を高める貴重な機会となりました。血液学会およびアレクシオンファーマの共催により、今後もこうしたイベントが続いていくことが期待されます。


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会社情報

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東京都港区芝浦3丁目1番1号田町ステーションタワーN
電話番号
03-3457-9550

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