旭化成エレクトロニクスが環境発電向けICを量産開始
旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区、社長:篠宮 秀行)は、環境発電を利用した小型二次電池向けの充電制御IC「AP4413シリーズ」の量産を2025年2月に開始することを発表しました。この新製品は、超低消費電流設計により、特に電力が不安定になりやすい室内光などの環境での利用を想定しています。
環境発電の利点と課題
環境発電とは、光、振動、熱、電波など、周囲の微小なエネルギーを電力に変換する技術です。これまで、低消費電力のアプリケーションには使い捨ての一次電池が一般的に使用されてきましたが、今後はこのAP4413を使用することで、電池交換や充電の手間が不要となり、より利便性の高いシステムの構築が期待されています。特に欧州では、一次電池の段階的撤廃を目的とした新しいバッテリー規則が2023年8月より施行され、二次電池への移行が促進されています。
AP4413シリーズの特長
AP4413シリーズは、以下のような特長を持っています。
- - 電圧監視機能:この機能により、二次電池の過充電や過放電を防止します。様々な種類の二次電池に対応するため、複数の電圧設定をラインアップしています。
- - 自己消費電流52nA:極めて小さな消費電流を実現し、充電効率を94.8%まで高めています。このことは、電力ロスを減少させ、システム全体の性能向上に寄与します。
- - コンデンサによるサポート:二次電池が充電されるまでの間、コンデンサに一時的に充電を行い、システムを動作させる機能を備えています。これにより、完全放電の状態でもシステムが稼働し続けることが可能となります。
今後の展望
旭化成は、環境発電向けのDC/DCコンバーターや、排尿を感知して通知するスマートオムツなど、幅広いアプリケーションにも取り組んでいます。AP4413シリーズの登場により、低消費電力デバイスの普及が進むことが期待されており、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となるでしょう。
特に室内光や水など、身の回りにあるエネルギーを効率的に活用できる環境発電技術は、今後ますます重要性を増すと考えられます。企業や個人がより環境に配慮した選択をするための手助けとなることが、本製品の導入によって実現されるでしょう。
参考情報
- - 環境発電向け充電制御ICの詳細はこちら。
- - 当社の環境発電向けソリューションの詳細はこちら。
このAP4413シリーズが新たな時代のエネルギーソリューションの一端を担うことを期待しています。