令和5年度字幕放送の実績と今後の情報アクセシビリティに向けて

令和5年度の字幕放送等の実績

総務省は、テレビジョン放送における視聴覚障害者や高齢者を対象とした字幕放送、解説放送、手話放送の推進に注力しています。近年、これらの放送形式の普及が進む中、令和5年度の実績がまとめられ、公表されました。

放送分野の取り組み

総務省は、2018年に策定された「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を基に、放送事業者に対してこれらの放送形式の充実を求める取り組みを進めています。令和5年度は、特に字幕放送と解説放送の割合が前年に比べて増加したと報告されています。

字幕放送の実績

調査によると、主要な放送局において字幕放送の実績が維持・向上しています。例えば、NHK総合放送センターでは全ての放送内容が字幕付きで提供されており、教育チャンネルでも高い割合で字幕放送が行われています。具体的な数値では、NHK教育での字幕番組の割合が97.2％に達し、在京キー局も同様の傾向を示しています。

このように、多くの放送局で字幕の提供が行われていることは、視聴覚障害者や高齢者にとって大きな助けとなります。また、手話放送も地域に応じた提供が強化されており、各局での平均手話放送時間は確実に増加しています。

解説放送と手話放送の充実

解説放送については、NHKと民放がそれぞれ異なる取り組みを行っています。NHKでは、総合局と教育局で解説放送の割合が上昇しており、放送時間の15〜20％を占める内容が多くなっています。特に、教育番組においては好評を得ているようです。

手話放送は、全国の放送局で実施されており、各局の平均で週に約30分以上が手話放送に充てられています。これは視覚で情報を得ることが難しい方々にとって、情報アクセスの重要な手段となっています。

システムの更なる進化

近年、画質や放送技術の進化により、視聴者にとっての情報の受け取り方も変化しています。その流れを受けて、情報アクセシビリティについても新たな基準が設けられ、より多くの放送番組で字幕や解説、手話が提供されるようになっています。このように、視覚や聴覚に障害がある方に対して、より優しい放送環境が整えられていることは大きな前進です。

今後の方針

総務省は、引き続き情報アクセシビリティに関する指針を推進しつつ、各放送事業者に対して更なる取り組みを求めていく方針です。大家族や多様なニーズに配慮した放送媒体の発展が期待されています。

このような取り組みが進むことで、日本におけるテレビはもっと身近でアクセスしやすいメディアとなり、視覚障害や高齢者に対する理解と支援が一層深まることでしょう。