AIを駆使した新たな河川ごみ監視システム「PRIMOS」
八千代エンジニヤリング株式会社と愛媛大学が共同で開発した新しい川ごみモニタリングシステム「PRIMOS」が、2025年4月14日より提供を開始します。この革新的なシステムは、AIを利用して河川表面のプラスチックごみを自動的に検出し、分類することができるため、環境保全活動に大いに寄与することでしょう。
開発の背景と課題の解決
プラスチックごみの河川を経由した海洋流出は現在、全球的な環境問題として扱われています。この課題に対し、八千代エンジニヤリングは2021年に「川ごみ輸送量計測ソフトウェアRIAD」を開発し、モニタリングカメラを用いてごみの量を把握してきました。
しかし、RIADはごみの種類を特定できず、従来の調査方法では労力、コスト、観察者の技術に依存するため、限界がありました。これらの課題を解決するために、八千代エンジニヤリングは愛媛大学との共同研究を通じて、PRIMOSを開発。画像解析AI技術を活用し、ごみの種類も自動判別できるようになりました。
PRIMOSの機能と特長
自動分類機能
PRIMOSは、河川の動画データを解析し、流れているごみを自動で検出・分類します。これによってごみの種類や量、流出状況を高精度でモニタリングが可能になります。
高精度のモニタリング
特に、飲料ボトル、食品容器、買い物袋などの主要な使い捨てプラスチックの検出精度が高く、環境保全活動に必要なデータを提供します。この情報は、船舶の航行安全や環境政策の策定にも反映されることでしょう。
水位変動への柔軟な対応
さらに、PRIMOSは河川の水位変動にも柔軟に対応し、高水位の洪水時でも安定した性能を発揮します。
使い方と提供方法
本システムはWEBサービス形式で、ユーザーが対象河川の動画をアップロードすることで自動でごみ輸送量を算定します。これにより、特定の河川におけるごみ輸送のトレンドを把握することが可能です。システムの利用は、建設コンサルタント、環境調査会社、自治体など幅広い業界を想定しています。
持続可能な開発目標への寄与
PRIMOSは持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献します。具体的には、
- - 目標6「安全な水とトイレを世界中に」に寄与し、河川環境をモニタリング。
- - 目標11「住み続けられるまちづくり」に向けて、都市環境の改善に貢献。
- - 目標12「つくる責任 つかう責任」でAIを用いたデータ提供。
- - 目標14「海の豊かさを守ろう」にも影響を与え、海洋環境の保護を目指します。
結論
八千代エンジニヤリングと愛媛大学はPRIMOSの社会実装を通じて、プラスチックごみの海洋流出問題を根本から解決するべく、活動を続けていきます。今後、この技術が環境問題の解決に如何に寄与するか、その行方が注目されます。
【製品に関するお問い合わせ】
八千代エンジニヤリング株式会社
川ごみモニタリングシステム開発係
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