米の適正価格とは
2025-07-02 16:25:44

農家の現実と信頼関係が描く米の適正価格の全貌

農家の現実と信頼関係が描く米の適正価格の全貌



最近のニュースでは、いわゆる「令和の米騒動」が連日メディアを賑わせています。この米価高騰に焦点を当て、消費者からは「適正価格」という言葉が飛び交い、農家の立場からも彼らの声が求められています。しかし、果たしてその声はどれだけお茶の間に届いているのでしょうか。実際のところ、現在、全国の消費者が一番知りたいのは「農家の本音」と「農村の現実」であると言えるでしょう。

今年に入って、農家から『現代農業』編集部に寄せられた声には、直売所やネット産直を行っている農家からの切実な悩みがありました。「秋から値段がどんどん上がっていますが、長年普段から応援してくれているお客様のことを考えると、大幅な値上げは躊躇してしまいます」といったものでした。農家自身が、「農家が誇りを持って仕事をすることが、新たな若手農家を生み出す」と訴え、適正価格について真剣に考えるようになりました。

20年間の米価の変遷



米騒動が報じられる中、「5㎏4000円台だから米が高い!」との声が多く報じられますが、実はこの35年を振り返ると、米価高騰はさほど新しい現象ではありません。約30年前も、今の価格と大差ない価格設定がなされていました。問題は、この20年間にわたって米価があまりにも低すぎたということです。消費者がその状態に慣れてしまったため、上昇への不安を感じるのも無理はありません。農家はこの長期的な低価格に耐えつつ、2021年から2022年の資材高騰という苦境にも直面しました。結果的に、これが彼らにとっての限界となりつつあります。

では、農家が考える「適正価格」とは一体いくらなのか?実際に、米の価格は生産地域や条件、経営のスケールによって異なります。大規模農家と小規模農家では適正価格も異なるため、一概には言えません。これを受け、約40名の農家に対してアンケートを行い、それぞれの地域や経営スタイルに合った「自家の適正価格」を考えていただきました。

農作物の値段を決める基準



農作物の価格設定には個々の事情が影響します。新潟県の小規模農家・鴫谷幸彦さんは、まず家族4人が生活できる年収を設定し、それを基に「自分の時給」を考え価格を決めています。その結果、彼が11年前に設定した白米の価格は1kg600円で、今では適正価格だと言えます。同様に、福島県の農家からも消費者の理解を得やすい価格にするための逆算を行った事例や、小規模農家でも持続可能な価格設定が出てきています。

農家の心意気



特集では直売所の忙しさや、高齢農家が畑と消費者を思って自家制作を続ける姿が描かれています。農家の松﨑栄一さんは、「飼料米は高く困っている同業者の手助けになれば」と、自らの努力で地域を支える姿勢を示しています。

最終的に、農家が自分の作った米に価格を設定できれば、たとえ市場が変動しようとも安定した関係性を築くことができます。特に「商品としての米価」と「関係性の米価」での違いを理解し、消費者との信頼関係が深まりつつある現状も忘れてはいけません。

農業の未来へのビジョン



結局、米文化が多くの国民に関心を持たれている今、ビジネスモデルを見直すチャンスとなっています。生産者と消費者の絆を深め、お互いに役立て合うことで、日本の農業と地域を守ることにつながるのです。このように食べる人が生産者の心を理解し、また生産者が消費者のことを思う、そうした関係を育んでいくことが「関係性の米価」を確立していく重要な要素です。

米の適正価格を見直すことは、農業の未来を描く重要なテーマです。消費者と生産者で共に魅力的な未来を創造していくため、皆様も是非『現代農業』8月号を手に取ってみてください。


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一般社団法人農山漁村文化協会
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