セイコーエプソンが手掛けた新型加速度センサー
セイコーエプソン株式会社が、低ノイズで小型の3軸加速度センサー『M-A370AD10』の量産を開始することを発表しました。この新しいセンサーは、増加する自然災害や老朽化したインフラの監視に対応するための高性能デバイスとして設計されています。今後、地震観測、常時微動計測、さらにはインフラストラクチャーの老朽化の監視において極めて重要な役割を果たすことが期待されています。
製品の特性
『M-A370AD10』は、エプソン独自の微細加工技術を用いて製造された水晶加速度センサー素子を搭載しています。この技術により、USGS-New High Noise Modelを下回る低ノイズ性能を実現しています。具体的なノイズ特性は、0.02µG/√Hz(1Hz~10Hz)と非常に優れています。
また、高いバイアス安定性により、-30℃~85℃の環境下でも±0.5mGを持続し、さらに1年使用後の安定性も優れ、±0.1mGを保持します。加えて、広範なダイナミックレンジも特徴で、±10Gの性能を誇ります。これにより、人体が感じることのできない微小な地震などでも、計測が可能となります。
シンプルなシステム構築
この加速度センサーは、シンプルな組み込みが可能で、3.3Vの低電力駆動で動作します。デジタル出力を採用しているため、従来のアナログ出力センサーに比べ、計測システムを格段に簡素化できます。加えて、外部トリガー機能やGNSS同期機能も装備されており、より信頼性の高いデータ収集が可能です。
監視対象と運用
本製品は、地震観測や資源探査、常時微動探査、地下構造探査、建設物の傾斜監視など多岐にわたる応用が可能です。特に、地震時の早期異常検知を可能にし、迅速な対応を実現することで、社会の安全性に寄与します。
展示会出展のご案内
セイコーエプソンは、2025年5月25日から30日まで幕張メッセで開催される「Japan Geoscience Union Meeting 2025」に出展します。新製品の展示やポスター発表を行う予定ですので、ぜひエプソンのブースにお越しください。
さいごに
エプソンの『M-A370AD10』は、自然災害への対応やインフラの監視において、注目の製品と言えるでしょう。未来の社会において、安全で信頼性の高いインフラを支える重要な役割を果たすことが期待されています。