2025年の猛暑が引き起こす健康リスクとその対策について

2025年の夏は、全国的に厳しい猛暑が続いています。この時期、体に熱がたまり、体調不良を引き起こす“熱あたり”を経験する人が約半数に達しているという調査結果があります。ダイキンが実施した調査によると、20代から60代の男女1,000人を対象にした結果、どの世代でもおおよそ2人に1人が体調不良を経験しているとのこと。驚くべきことに、約90％の人々は病院に行かずに自己対処をしているのが実態です。

調査の背景と熱あたりの実態

今年の猛暑、特に7月末の時点での結果は、2024年の調査と同様の傾向を示しています。さらに、気象庁が発表した予報によると、9月以降も残暑が続く見込みで、熱あたりへの警戒はますます必要となります。調査の中で、特に多かった体調不良の初期症状は「睡眠の質の低下」や「疲労感」で、これらの症状を抱える人が約6割にも上ります。

このように、熱あたりのリスクが急増している中、私たちがどのような対策を講じているのかを見ていくことが重要です。

夏の対策意識と実態

調査では、対策意識の低さも顕著でした。体調不良を感じても、9割近くが病院に行かずに自宅で対応しています。具体的には、水分補給を行っている人が78%と高い一方で、エアコンや十分な睡眠をとるという対策意識はそれぞれ51.1%と26.7%に留まっています。また、約1割の人が特に対策をしていないと回答している点も気がかりです。

今年の調査には、ハンディファンと扇風機に関する情報も含まれています。猛暑日でもハンディファンを使用している人は80%以上、34%が扇風機だけで過ごすことがあるという事実が浮き彫りとなりました。しかし、これだけでは熱中症を予防することが難しいとも言えます。

熱中症予防とそのための工夫

熱中症対策として、水分補給やエアコンの利用は重要ですが、正しい知識を持って実行することが求められます。例えば、水を一気に補給するのではなく、こまめに飲むことが効果的とされています。また、エアコンはただの贅沢品ではなく、命を守るための大切な機器であるという認識を持つことが重要です。特に睡眠時の使用についても、寝室にエアコンを常に稼働させ、質の高い睡眠を確保することが推奨されています。

専門家のアドバイス

ダイキンの担当者である谷口英喜先生は、「睡眠の質の低下や疲労感は初期症状なので、早めの対策が必要」と述べています。また、食事から体内の熱を逃がすためには、野菜や果物を意識的に摂取することが効果的だともアドバイスしています。

特に外出時にはクールスポットを利用し、家ではエアコンを効果的に使うことが肝要です。ハンディファンや扇風機だけでは限界があるため、適切な温度調整を心掛けることが必要です。