MUJI HOUSEの挑戦: 花見川団地の活性化
株式会社MUJI HOUSEは、千葉市の花見川団地を拠点に地域生活圏の活性化プロジェクトを推進しています。この取り組みが評価され、2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。受賞対象は、団地の屋外空間や商店街を拠点とした地域活性化のための拠点づくりとその活動です。
プロジェクトの背景
昭和40年代に建設された花見川団地は、居住者の高齢化や商店街の活気低下、若者世代の居住者の減少といった課題を抱えています。しかし、この団地には豊かな自然環境や子育てに適した保育所や学校、公園が存在しています。この既存の魅力を活かし、行政や企業、地域住民が一体となって再生を目指す取り組みが始まりました。
7者協議会の結成
MUJI HOUSEは、UR都市機構、千葉市、地域住民の自治会や商店街振興組合と協議し、「花見川団地を拠点とした地域生活圏の活性化推進協議会」を設立しました。この協議会では、企業や行政、住民などがそれぞれの強みを生かし、地域生活圏の活性化に向けたコミュニティを共創しています。
デザインとプログラム
1. コミュニティの共創
このプロジェクトでは、団地の屋外空間や商店街をリノベーションし、住民にとって便利で魅力的な場所を提供しています。また、地域に開かれた活動の場を設け、多世代が交流するためのプログラムをデザインしています。
2. 相談機能や活動の場
花見川団地内には、住民が集まり意見交換を行うための交流拠点が設けられました。ここでは、無印良品の商品の出張販売やカフェが開設されており、様々な世代が集まり会話を楽しむことができます。
3. 地域イベントの発信
定期的に団地内でイベントが開催されることで、住民同士のつながりが生まれ、さらには「花団もりあげ隊」として地域を盛り上げる自主的なグループも形成されました。住民が主体となって関わることで、より強固なコミュニティが築かれています。
ハードとソフトの一体化
プロジェクトでは、ハード面(リノベーションや交流拠点の整備)だけでなく、ソフト面(地域活動やイベントの企画)にも力を入れています。特に、リノベーションされた商店街や、町を盛り上げるためのワークショップは住民に喜ばれています。
今後の展望
MUJI HOUSEの花見川団地での取り組みは、地域再生の新しいモデルとして期待されています。UR都市機構とのコラボレーションだけでなく、全国的な広がりも見えてきており、地域課題に対する解決策として注目されています。2025年度グッドデザイン賞の受賞は、このプロジェクトが未来を見据えたものであることの証明とも言えるでしょう。
株式会社MUJI HOUSEについて
同社は、無印良品の家をコンセプトにした事業を行い、商品企画や開発、施工を手掛けています。今回の受賞をきっかけに、さらなる地域活性化につなげていくことが期待されています。