鹿児島県の錦江町役場は、地域住民の生活をより豊かにするために、AIを活用した新たな試みを進めています。2025年9月24日、水曜日に開催された中間報告会では、AIを取り巻く社会の動向やその可能性についての解説が行われ、その後、「AI検証班」という新たなチームである「soyjaga(そいじゃが)」の職員が各自の利活用テーマとその進捗状況を報告しました。このプロジェクトは、鹿児島県内の企業である株式会社A0AIの支援を受け、円滑に進められています。
全国の自治体では人手不足が深刻な問題となっており、業務の効率化としてAIの導入が求められています。錦江町役場もその例外ではありません。限られた職員数でよりクリエイティブな業務を推進し、住民の日常に嬉しさや楽しみを増やそうとする取り組みが進行中です。具体的には職員の知識やアイデアを活用してイノベーティブな解決策を模索しており、最終的な目標はAIを円滑に取り入れられる体制の構築です。
中間報告会が行われた役場内の会議室には、町長や副町長をはじめとして、計17名の関係者が参加し、AIに関する現状や今後の発展について活発に意見交換が行われました。報告内容としては、ある職員が担当する業務の引き継ぎを支援するための新しいシステム開発や、福祉支援の申請業務の負担を軽減するための情報共有システムなど、様々なテーマが挙げられました。さらに他の職員は、議会の答弁案をAIに学習させることで、報告書の準備期間を短縮することを目指しているとのことです。
今後は、「soyjaga」のメンバーが協力して実践的な検証を重ねながらシステムの開発を進めていく予定です。次回の最終報告会では、これまでの検証結果に基づく実用化の道筋や、地域全体への波及効果についても議論が行われる見通しです。
さらに、株式会社A0AIは、急速に発展するAI技術を地域にどのように活かすかというテーマで、今後のビジョンを描いています。地方特有のニーズを反映させ、一層の地域活性化を目指す意向が強くあり、これが他の自治体へのモデル事例にもなり得ます。
この取り組みを進める中で、町民との信頼関係の強化が重要であり、特に若手職員が中心となって活躍する姿勢が期待されています。報告会に参加した町長、新田敏郎氏は、職員の減少にも関わらず、限られたリソースを有効に活用するためにAI導入の必要性を強調し、住民の生活の質向上に寄与することを約束しました。さらに、「若手とベテランの職員が一緒になってAIを活用し、業務のクリエイティブな側面を補完することができたなら、より良い成果が得られ、地域の未来に繋がるだろう」と展望を語りました。これからともに築いていくAIと町役場の協働による新しい地域づくりに、大いに期待が寄せられています。