五常・アンド・カンパニー、タジキスタンにおける銀行免許取得の意義
五常・アンド・カンパニー株式会社(以下「五常」)は、2025年7月にタジキスタン国立銀行から新たに商号を変更したClosed Joint Stock Company (CJSC) MDO Humoが銀行免許を取得したことを発表しました。この新しい金融機関は「Humo Bank」として、多様な金融サービスの提供を目指しています。
これに至る背景には、五常が2021年に金融包摂を目的として、急成長しているタジキスタンのマイクロファイナンス市場への出資を行ったことがあります。Humoは、金融機関としての基盤を強化しながら、テクノロジーの向上に努めてきました。約20年前に設立され、当初はわずか15名のスタッフと22.5万タジキスタンソモニ(約7.4万米ドル)という小規模からスタートしたHumoは、現在ではタジキスタン国内で最大級の金融機関に成長しています。
Humo Bankの成長データ
実際にHumo Bankは、以下のような impressiveなスケールで運営されています。
- - 顧客数: タジキスタン全土に37万人以上の顧客
- - 融資顧客: 12万人以上のアクティブな融資顧客
- - 営業貸付金: 18億タジキスタンソモニ(約1.8億米ドル)
- - 預金額: 6.7億タジキスタンソモニ(約6,700万米ドル)
- - スタッフ数: 約2,000名
銀行免許の取得がもたらす影響は大きいと予測されています。Humo Bankのチェアマン、フィルダフス・マユヌソフ氏は「銀行免許の取得は、新たな金融サービスを中小企業や法人に提供する機会を与えます。また、国際的な企業との取引が可能になることで、資金調達コストの低減や、顧客の金利引き下げにもつながります」と述べています。
先進的な金融商品とサービスの提供
Humo Bankは、トレードファイナンスや信用状取引、銀行保証といった様々な金融商品を提供することが可能になります。これにより、スタートアップや中小企業の金融ニーズに応えることができ、必然的にタジキスタンの金融包摂を推進することにもつながります。また、外貨流入の増加が見込まれ、新たな手数料収入の創出も期待されています。
モバイルバンキングでの利便性向上
さらに、Humo Bankはモバイルバンキングサービス「Humo Online」を通じて、融資、預金、送金などのサービスを提供。これは特に農村部の住民や中小企業にとって、大きな利便性をもたらします。
五常のビジョンと今後の展開
五常は、南・東南アジア、中央アジア、コーカサス、アフリカなど14カ国でマイクロファイナンスを展開するホールディングカンパニーであり、金融包摂を世界中に広げることをミッションに掲げています。2025年には自身のグループ会社として約340万人の顧客にマイクロファイナンスを展開し、2025年1月には「B Corp™」認証も取得しています。
今後も五常とHumo Bankは、デジタル技術を活用しながら、タジキスタンにおける金融包摂を進めていくことを目指します。金融サービスが困難であった地域や人々にとって、彼らの新しい取り組みが未来の生活を変える大きな一歩となることが期待されます。