地下鉄広告の注目度
2025-05-09 09:51:43

地下鉄広告の注目度をAIで測定する革新的な実証実験とは?

地下鉄広告の注目度をAIで測定する革新的な実証実験とは?



序章:OOH広告の課題と変革の必要性


広告業界では、視聴者の関心をどれだけ引きつけているのかを測定することが大きな課題となっている。特に対面するOOH(交通広告や屋外広告)では、反応を見るための適切な指標が不足していた。従来はインプレッションや視認性が重視されていましたが、本当に広告が「見られているのか」という問いが新たな注目を集めている。

実証実験の概要


この状況を踏まえ、株式会社博報堂DYアウトドアと株式会社大阪メトロアドエラが連携し、地下鉄のデジタルサイネージおよびアナログ広告を対象にしたAIによるアテンション測定の実証実験を行った。実験ではAIを活用した「サリエンシーモデル」を用いて、広告がどれだけ注目されたかを数値化した。

このモデルは視線学習と画像認識を組み合わせ、広告の視覚的注目度を30秒ごとに分析。特に注目された指標は、広告がどれほど人の注意を引いたかを表す「アテンション率」と、その広告に注目していた時間を表す「アテンションタイム」です。

サリエンシーモデルの活用


サリエンシーモデルの特徴は、人間が本能的に注目する要素を数理的に再現できる点にある。色彩や形状、明暗の要素がどのように視覚に影響を及ぼすかを測定し、実際のアイ・トラッキング調査との相関性が高いことが確認されている。これにより、コストを抑えつつ高度な予測が可能となり、ロケーションごとの注目特性やクリエイティブの違いも視覚的に捉えられる。

主要な成果と将来の展望


実証実験の結果、従来の評価方法では明らかにできなかった「どれだけ注目されたか」という要素が数値化され、OOH広告の価値を新たに掘り下げる一助となった。媒体ごとの注目特性や、広告のデザイン要素による効果の違いもわかりやすく可視化されることで、広告主やクリエイターは、より効果的な広告を展開できる可能性が生まれた。

今後は、この実験の成果をもとに、アテンション測定のさらなる高度化が進められるとともに、AIを活用したアテンション予測サービスやクリエイティブ最適化の事業化も計画されている。

OOH業界における変革の意義


このように変化し続けるOOH広告の現場において、今後のアプローチが期待される。株式会社博報堂DYアウトドアの三浦暁氏は、アウトドアメディアの価値を理解するための重要な手法として、今回の多角的な調査を評価している。彼は「生活者の日常的な空間に根ざしたアウトドアメディアぬ注目が集まり、アテンション指標の導入がより意味を持つ」と語っている。

一方、株式会社大阪メトロアドエラの荒井孝文氏は、従来の評価手法からこの新しいアテンション評価法にシフトすることの意義を強調し、日常的に接触するOOH広告が新たに“注目されるメディア”へと成長することを期待している。これらの取り組みは、OOH広告が持つ潜在的な力を引き出すきっかけとなるだろう。

結論


地道な取り組みの中で、OOH広告が科学的に評価される時代が到来した。今後の技術革新とマーケットの動向に注目し、広告業界がどのように進化していくのか、目が離せない。これからも、OOH広告についての新しい価値観が形成されていくことが期待されている。


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会社情報

会社名
株式会社大阪メトロ アドエラ
住所
大阪市中央区南船場三丁目11番18号郵政福祉心斎橋ビル8階
電話番号

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