NECがAetionに出資、新たな医薬品開発の土台を築く
NECが創設したエコシステム型Corporate Venture Capitalファンド「NEC Orchestrating Future Fund」は、アメリカの医療データ解析プラットフォームを提供するAetion, Inc.に出資を行いました。この提携により、両社は医薬品開発におけるリアルワールドデータ(RWD)およびリアルワールドエビデンス(RWE)の活用に向けた協議を開始したことが報じられています。
RWDとRWEの重要性
近年、医療業界ではRWDやRWEを活用して医薬品の安全性や有効性を評価し、開発プロセスを効率化するニーズが高まっています。しかし、データ収集や分析方法の標準化に関する課題も残されています。Aetionは、これらの課題に対処するため、RWEのプラットフォームを提供するリーディングカンパニーです。
Aetionのプラットフォーム
Aetionが展開している「Aetion Evidence Platform®(AEP)」は、企業や規制当局、保険会社、医療機関など、世界中の多数の組織で活用されている高精度な分析ツールです。AEPは、RWDの標準化や品質保障を行い、透明性を確保することで信頼性の高いRWEを生成します。この解析技術により、医薬品開発における意思決定を支援し、さらなる医療の進化を目指しています。
NECの取り組み
一方、NECは電子カルテなどのヘルスケア・ライフサイエンス分野での事業を推進し、医療・ヘルスケアに関連するさまざまな課題の解決を図っています。NECのCorporate SVPである和田茂己氏は、NEC Orchestrating Future FundがAetionの取り組みに注目し、次世代ヘルスケアの確立に貢献できると期待感を示しました。これにより、日本国内における医薬品開発プロセスの効率化や新たな治療法の創出に向けた協力が求められています。
今後の展望
AetionのCEOであるJeremy Rassen氏は、NECからの出資が自社ソフトウェアの市場性を評価したものであり、今後の協業によって医療業界全体に具体的な変革をもたらすことを楽しみにしていると述べています。
両社はこれからの医薬品開発におけるRWD/RWEの活用をさらに進め、医療の意思決定を支援するソリューションを開発することで、個別化医療への寄与を目指すとしています。これにより、業界全体の変革を促し、新たな社会価値を生み出していく手段としての位置づけがなされるでしょう。
今後の取り組みから目が離せません。