皆野高校の卒業生たちが紡ぐ思い出の箱
埼玉県立皆野高等学校は、今年度でその歴史に幕を閉じます。卒業式を目前にした卒業生24人と教職員が協力して、特別な卒業記念企画「みんなの箱」を制作する時間が設けられました。この取り組みは、ただの卒業記念品ではなく、生徒たちの想いを込めた手作りの箱を作ることに重点が置かれています。
形よりも「場」を重視した卒業生のための取り組み
「みんなの箱」は、卒業生それぞれが一つの四角い箱を作るもので、「皆で作る」という意味を込めています。教職員が蓋の部分を、そして卒業生が身の部分を制作し、最後に一つの箱として完成させます。箱の中には、卒業記念品として選ばれたマグカップが収められます。これは、卒業生が日常の中で使い続けるものであり、その都度、皆野高校での思い出が息づくことを意図しています。
教育の現場での新しいコミュニケーション方法
この企画の目的は、教員と生徒が同じ時間を共有し、共に何かを作り上げるという体験を通じて、卒業生にとって特別な記憶を作り出すことです。教えられる側と教える側の境界を取り払い、円になって箱を作ることで、皆野高校ならではの「まるくつながる」卒業のかたちを体現しています。
「最後だから、円になった」との言葉通り、生徒たちはこの特別な時間を通じて、仲間との絆を改めて深めることができるのです。
参加者の思い
この活動に参加する生徒たちは、特別な体験を通じて得られる思い出について、口々に語ります。ある卒業生は「こんな機会を提供してくださったことに感謝しています。この箱作りは、私たちの思い出を形にする素晴らしい時間になるでしょう」と語ります。また、別の生徒は「みんなで作る最後の作業が楽しみです! これは素敵な思い出の一つになると思います」と期待を寄せています。
卒業を送り出す気持ち
この取り組みは、皆野高等学校の教職員にとっても特別な意味があります。3学年主任は、「この箱を見るたびに、学生時代の素敵な想い出が甦ってくると思います。卒業生たちとの共に過ごした時間は、一生の宝物です」とその思いを語ります。
企画協力を行っている株式会社マルニ・ロジコムの代表取締役、杉山慎一氏も「最後に“同じ時間”を残すことが大事だと考えました。学校がなくなっても、生徒たちの心の中には制作した思い出がずっと残ると思います」と話しています。
実施概要
このユニークな取り組みは、2026年1月30日(金)の午後に埼玉県立皆野高等学校校内で行われ、卒業生24名と教職員が参加します。特に重要なのは、この活動が皆野高校の校歌や閉校という特別な状況に合わせて企画されていることです。
皆野高校の卒業生たちにとって、この「みんなの箱」は終わりではなく、新しい始まりを意味する、心温まる思い出の収納箱となることでしょう。これからも何年も後に、その箱を開くたびに、卒業生たちの心に温かな感情が蘇ってくることでしょう。