医療現場のデジタル変革を支援する「HyMarks DARTS」
株式会社両備システムズは、医療機関向けの新しい診療支援システム「HyMarks DARTS」の提供を2025年7月から開始します。このクラウド版の統合参照ビューアは、医療データの一元管理を実現し、診療の効率性を向上させることを目的としています。
開発の背景
現代の医療現場では、患者に関連する膨大なデータが存在します。これには放射線や内視鏡の画像データ、各種検査記録、同意書、リハビリ関連書類、そして薬剤情報等が含まれます。しかし、多くの医療機関では、これらのデジタルデータが異なる部門に分散しており、紙文書と併用されている場合もあり、データ管理の煩雑さが問題視されてきました。これにより、医療従事者が必要な情報を迅速に取得することが困難になり、診療の効率性が損なわれる懸念が生じています。
このような課題に対処するため、両備システムズは2014年に「HyMarks DARTS」を開発し、現在、40医療機関で使用されています。最近では、国の「医療DX令和ビジョン2030」に合わせて、クラウド版の「HyMarks DARTS」を導入しました。
「HyMarks DARTS」の特長
「HyMarks DARTS」は、院内の情報を視覚的に俯瞰できるマトリックスビューを採用しています。これにより、医療従事者は日付や文書種別ごとにデータを瞬時に把握でき、スピーディで的確な診療を支援します。特に、全ての情報が同一操作で確認可能なため、診断の際に手間を省くことができます。
さらに、フィルター機能を使えば、職種や業務に応じて必要なデータを絞り込むことができ、各医療従事者が効率的に情報を取得できるよう配慮されています。パソコンの操作に不安がある職員でも、直感的に理解しやすい画面設計のおかげで、スムーズに利用することが可能です。これにより、職種間の情報共有が促進され、院内全体のデジタル化が進むでしょう。
安全なデータ管理とバックアップ
「HyMarks DARTS」は、厚生労働省の電子保存ガイドラインに準じた原本化機能も実装しており、タイムスタンプを活用してスキャンした文書データに原本性を持たせることができます。この機能により、物理的な書類を保存するスペースを削減し、長期保存が必要な文書も適切に管理できるようになります。また、事業継続計画(BCP)の一環として、電子カルテに入力された診療記録を毎日「HyMarks DARTS」に取り込むことで、万が一の障害時にも医療を提供できる体制が整います。
今後の展望と市場目標
両備システムズは、さらなる機能強化を計画中で、生成AIサービスと連携する取り組みを進めています。これにより、文書管理システムが不得意としていた条件抽出を改善し、2026年頃の実用化を目指しています。また、2030年末までに200団体の導入を目指す目標も掲げています。
まとめ
両備システムズの「HyMarks DARTS」は、医療現場のデジタル化を進め、効率的で安全な診療環境を構築するための重要なツールとなります。今後の展開に注目が集まります。詳細は
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