FARAPULSE™が承認
2025-09-08 15:12:21

持続性心房細動への新たな治療選択肢「FARAPULSE™」が承認

持続性心房細動への新たな治療選択肢「FARAPULSE™」の承認



2023年9月3日、ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社が、FARAPULSE™パルスフィールドアブレーションシステムの新たな適応追加承認を発表しました。これにより、薬剤抵抗性を有する持続性心房細動の患者にも対応できるようになり、より多くの患者に新たな治療の選択肢が提供されます。

FARAPULSE™とは?


FARAPULSE PFAシステムは、心房細動の治療において、新しい技術を導入したアブレーションシステムです。従来の熱や冷却ではなく、電気パルスを使用することで、心臓の異常な電気信号を選択的に遮断します。この方式により、食道や横隔神経など周辺の組織へのダメージを軽減しながら、安全性と再現性に優れた治療が期待されます。

従来の治療方法との違い


従来、多くの心房細動治療では高周波や冷凍アブレーションが用いられていましたが、FARAPULSEはこれらの方法に比べて周辺組織への影響が少なく、より安全な手術を可能にします。東京医科大学病院の里見和浩教授も、「FARAPULSEは心房細動治療に革新をもたらした」と評価しています。

心房細動の現状


心房細動は発作性と持続性に大別されます。発作性は自然に元に戻ることが多いですが、持続性は治療が難しく、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や心不全患者にとって重大なリスクとなります。2022年のレジストリによれば、アブレーションを受ける患者の約55%が発作性、約45%が持続性であることが示されています。

新しい治療選択肢の重要性


FARAPULSE PFAシステムの適応追加は、持続性心房細動の治療にも幅を広げ、医療現場でのニーズにも応えられるようになりました。200人以上が参加した臨床試験では、治療成功率63.5%、重篤な合併症が2.3%に留まる結果が得られています。

医療現場との協力


ボストン・サイエンティフィックの森川智之社長は、医療従事者との連携を強調し、安全で信頼性の高い治療法の普及を目指すと述べています。治療の質の向上を通じて、患者の生活にプラスの影響を与えることを目指しています。

今後の展望


超高齢社会を迎える日本では、心房細動の有病率が増加すると予測されています。FARAPULSE PFAは、特に困難な治療を要する患者に希望を与える存在として期待されており、今後の医療現場での導入が待たれます。

日本における心房細動の治療に新しい時代をもたらすFARAPULSEが、医療の質向上に寄与することを期待する声が高まっています。全体として、このシステムは医療技術の革新が、心疾患治療の未来にどのように貢献できるかを示す重要なステップとなるでしょう。

会社情報

会社名
ボストン・サイエンティフィック
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電話番号

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