ENEOS、潤滑油業界に新たな風を吹き込む
ENEOが国内の潤滑油業界で初めて、製品別のカーボンフットプリント(CFP)算定システムを開発し、2024年10月からこのシステムを用いたCFPの提供を開始することを発表しました。この新しい取り組みは、原料や製品の種類が多様化する中で、潤滑油やグリース製品の環境影響を明らかにする重要なステップです。
CFPとは?
CFPは、製品が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの過程で排出される温室効果ガスをCO₂換算したものを指します。主に製品が出荷されるまでの段階での排出量が考慮されています。これにより、企業がどの程度環境に負担をかけているかを可視化することができ、消費者はより環境に配慮した選択をすることが可能になります。
新システムの特長
新たに開発されたCFP算定システムでは、潤滑油やグリース製品を簡単かつ効率的にCFPとして算定し、迅速に顧客へ提供します。この算定プロセスでは、ISOのガイドラインや経済産業省の指針に従って、より正確な数値が計算される仕組みを確立しています。
特に、潤滑油の原材料となる基油の一部については、既に他社と共同開発したCFP管理システムを活用しており、初期データとして利用されることで、より信頼性の高い数値を提供することが可能となっています。
持続可能な社会への貢献
ENEOは、企業の長期ビジョンとして「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」を掲げています。今回のCFP提供を通じて、潤滑油サプライチェーン全体におけるCO₂排出量の透明性を高め、環境負荷を低減することに寄与していく構えです。
また、植物由来の原料を使用した「ENEO SGXシリーズ」の潤滑油・グリース商品の販売や、使用済み潤滑油を再資源化した低炭素基油の製造を進めることで、循環型社会にも貢献していく方針です。
今後の展望
ENEOのこの取り組みは、潤滑油業界における環境意識の向上だけでなく、他の企業にも影響を与えるものと期待されています。持続可能な未来の実現に向けて、業界全体での取り組みが求められる中、ENEOはその先駆者となることができるでしょう。本業界からの脱炭素化の潮流が強まる中で、ENEOの新たな試みは、今後の環境戦略においても注目されることでしょう。